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「っ、ふふ、あはははっ!」
先ほどまであれほど悲観にくれていたと言うのに、おかしくてノアの目から別の涙がこぼれる。
ハクとコクはそれに驚いて、目をぎょっと丸くさせていた。
「うへへ、紫ちゃんが笑ってくれるの嬉しいぜ。
でもでも、オイラが見る限り一つ間違いがあるぜ」
「間違い?」
記憶は確かに正しいはずだとノアは不思議な事を言うレイルに首を傾げて見せた。
「みんなの言ってる魔物ってね。
あれは魔物じゃないんだぜ。法力でできた法獣だぜ」
聞いた事がない、ノアはレイルにそういうと、続けてレイルは説明を挟んだ。
「魔物って言うのは通常の動物の体内に多すぎる量の法力を持って生まれ、その法力に身体が馴れようと突然変異するものの事だぜ」
レイルは本の山の中から一冊本を取り出し、それを開いてノア達に見せた。
そこにはウサギや牛と言った見馴れた動物が、巨大化、皮膚の高質化など目に見えてわかる変貌を遂げていた。
「そして法獣って言うのは、ちょっとややこしい話だけど法具の具現化の能力に、動物の記憶を掛け合わせて召喚するものだぜ。
たとえば」
レイルは己の髪から一本のヘアピンをとると、身の丈ほどもある杖に変化させた。
杖は淡く光輝き、ふわりと一つの光球が現れた。
「ウルラ」
レイルがそう呟くと光の中からコノハズクが現れる。




