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ノアは、怪談話でも始めるかのように重い口を開いた
「今から七年前──グレンデルは……私の兄でした。
名をカイン。カイン・レヴァリエ。
とても優しく、穏やかな人でした。
ある日、兄はどういう訳か法具を護る身でありながら法具の封印を解き、一族の反逆者となりました」
ノアは震える声で言葉を紡ぐ。
「兄はその頃幼い子供でしたが、子供と言っても、法具の能力で何をするか分かりません。
一族の者達はは直ぐ様対処に向かいました。
もちろん、相手は子供ですから、先ずは話合いを選びました。
ですが、兄は聞く耳を一切持たず一族の者達を、両親を、皆を……!」
ノアの両目から大粒の涙を溢す。声がいくら震えても、彼女は語ることをやめなかった。
「魔物を放ち、故郷の村を焼き払い、彼は悪意のままに行動を行いました……!
私は、私は一族の者として兄を、グレンデルを止めなくてはなりません!
もう誰も傷つけられないために!」
ノアは泣きながらも、凛と声をはりあげた。
周りには静かな空気が漂うノアのしゃっくりだけが響き渡り、静寂に包まれる中、この空気を打ち砕いたのは誰かの腹の音だった
「ごめん、お腹すいたんだぜ」
レイルが気まずそうに手をあげた。
ノアは一瞬の事に驚いてぽかんと口をあける。
レイルは空気を読めとばかりにハクとコク達から叩かれていた。
「空気読んでもお腹すくのはどうしようもないんだぜ!
オイラは悪くねぇ!オイラは悪くねぇ!」




