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「大丈夫、大丈夫……」
ノアは深呼吸を一つ漏らし、自分に暗示をかけるように大丈夫、と繰りかえす。
すると荒く乱れていた呼吸は少しずつ楽になり、襲い来る不安感も徐々に薄れていった。
呼吸を安定させてノアはふらつきながらも立ち上がる。
「ここはどこなのでしょうか……」
ノアはふらふらと本にまみれた部屋を出る。
階段を降りていくと、聞きなれた声がした。
「レイル、もうこの辺一帯捨てた方が早いのではないか」
「シロちゃんの鬼!それオイラの大事な研究資料だぜ!」
「だったら放置すんなよ……。どうやったら自分家こんなに荒れるんだよ」
ノアが顔を出すと、そこに広がっていたのは本や紙束で溢れた、お世辞にも綺麗とは言えない散らかった部屋だった。
「ノア、目が覚めたのだな!
」部屋の掃除をしていたハクはノアを見るなり心配そうにノアに駆け寄る。
それに続いて、コクとレイルもやってきた。
「ええ、ご心配をおかけしました……」
「それでは、ノア。起きたばかりですまないが、あのグレンデルと名乗った人間について教えてもらうぞ」
やはりそう来るかと、ノアはどこかでこれを予想していた。
「はい、語りましょう……。あの人物について、私の運命について」
話す前に暖炉前に置かれたローテーブル、ソファ周りの本を片付け、各々はソファに座る。




