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「ああ、ノア。すまないな。
こいつが先ほど言っていた法具好きのバカだ」
「バカってなんなんだぜー!
オイラにはちゃんとレイル・クラーニルって名前があるんだぜっ!」
バカと呼ばれたレイルはぷりぷりと怒り出す。
「レイルさん、ですね。初めまして。
私はノア・レヴァリエと申します」
よろしくお願いします、と手を差し出せばレイルは飛び付くようにその手を握った。
「紫ちゃん、よろしくだぜ!」
「あ、あの。ノアですけど……」
「紫ちゃん!」
レイルは楽しそうににこにこと笑みを見せる。
どうすればとノアは二人に目配せした。
「諦めろ、そいつぜってぇの名前覚えねぇぞ」
コクの呆れたような言葉がかえってくる。ノアは一種の愛称として受け入れることに決めた。
「レイルさん、コクさんからお伺いしたのですが、貴方が法具好きの方で間違いありませんか?」
「まっちがーいなーいないっ!
オイラの研究の専門は法具だぜ!」
「研究の専門?」
「レイルの種族、ソファイアはソフィアールと言う里において研究や知識が財産として見られている。
故にソフィアールは研究者だらけだぞ」
ノアが不思議そうな顔をすると、代わりにハクが答えてくれた。
ソファイアと言えば戦闘能力は皆無に等しいながらも、頭の回転は早く、主に知識面で活躍する種族だ。
「ではレイルさん。少しお聞きしたいことがあるのですが──」
「あれ、また友達が増えたのかい?」
突如この中の誰のものでもない声がして、その場にいる全員が声のした方へ振り返る。




