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コクの声を無視して、ノアは抱きしめる力を強めた。
だがいくら待っても液酸弾は放たれず、代わりにボン、と小さな爆発音が聞こえた
「奴は……!」
ハクは上空をみて呟いた。
ハクのその言葉と共にノアは手を緩め、ハクの見つめる先を見上げた。
いつの間にか夕暮れになっていた遥か上空、落下しながら杖を構えて光球を打ち出す少年がいた。
光球は巨大なハエに命中すると何度も爆発音を鳴らし、少年が撃ち続けると、巨大なハエは泥の様に溶けてその姿を消した。
少年は海に落ちるよりも先に魔女の箒の様に杖に乗る。
「やーほー!シロちゃーん!クロスケー!」
少年は人違いでもしているのかこの場にいない人物の名前と共に大きく手を降る。
ふわりふわりと空を漂い、少年は甲板へと降り立った。
「なんか大変そうだから撃っちゃったけどアレ撃っていい奴だったんだぜ?」
金髪緑目に、長く尖った耳を持つ少年はさも当然の様に三人に問う。
三人は立ち上がり、ノアは突然のことに頭が追い付いて来なかった。
「レイル!よくやってくれた!」
ハクはレイルと呼ばれた少年にかけより、コクもそれに続いて少年に駆け寄る。
「えへへー、法具で空とぶ練習してたらシロちゃんとクロスケ見つけて驚いたんだぜー」
「いい加減俺らの名前覚えような」
コクが呆れたようにため息をついた。
ノアは状況がまるでわからず、一人茅の外だ。




