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「姉さん!やるならやるっていってくれ!当てるとこだったろ!」
「お前ならば当てないだろう」
ハクはコクににやりと笑って見せる。
ハエは甲板に叩きつけられたまま動こうとはしなかった。
「はっ!!」
ノアが駈け、巨大なハエを流れるような動きで斬り着けた。
ハエは段々動かなくなり、ノア達は勝機が見えたとばかりに斬撃を浴びせる。
再生する余裕も与えないまま斬りつけていると、ついに巨大なハエは動かなくなった。
三人ははぁはぁと荒い呼吸の繰り返す。
緊張の糸が途切れ、その場にへたりこんだ。
「あー、くっそ。さすがに法力切れだ……疲れた……」
コクが呟きシロガネはリボン状に戻る。
二人ももう用はないとそれぞれの法具をマフラーに、リボンに戻した。
「コクさんお疲れ様です……。あの魔物、一体なんなのでしょう……」
ノアが魔物である巨大なハエを見据えて呟いた。すると、事切れたとばかりに思っていた巨大なハエがぴくりと動き出した。
口を大きく開け、液酸弾を放とうとノア達にその口を向けていた。
「コクさん!ハクさん!」
先に気づいたノアが二人を守ろうと、二人を庇う。
ぎゅっと二人を抱きしめ、襲い来るであろう液酸に、ノアは覚悟したように目を瞑る。
「おい、ノア!はなせ!このままだとアンタが……!」




