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「一言でいえば"天才なのにバカ"だな」
コクは呆れたようにため息をついて、チョコレートケーキを頬張る。
「おまけに好奇心の塊と来ている。
わたし達の幼なじみなのだが、黙っていれば一番頭も良く法具の扱いにも長けていると言うのにな」
「その方も、法具士なんですか!」
ハクのその言葉を聞いて、ノアは興奮ぎみに立ち上がる。
ハクはコーヒーを飲みながら正確には少し違うと呟いた。
「法具士っちゃ法具士だけど、アイツは法具の元来の能力に加えて法力を操り弾丸として撃ち出す法術士ってところだな」
「法力を操る?そんなことが可能なんですか?」
ノアは大人しく席に座る。
ノアの疑問にコクが代わりに答えた。
「いや、普通は無理だ。
法力ってのはいわゆる体力みてぇなもんで普通は強弱しか操作できねぇ。
でもアイツは法力の流れを読み、それを弾丸として撃ちだすんだよ。普通は出来ねぇ荒業だ」
「そこが奴の天才たる由縁だ」
「バカだけどな」
とコクがつけ足す。
そうやって談笑を楽しんでいると船出港の時間は刻一刻と迫っていた。
三人は店を出て船に乗り込む。
少し時間をおいた後、船は大きな音をたてて出港した。
「なぁ、二人はこれからどーすんの?」
「私は甲板に出て見ようかと。ハクさんは?」
「わたしは客室にいるつもりだ」
「俺もそーすっかねぇ。ねむてぇから寝てるわ」
コクは大きくあくびをひとつ漏らす。




