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「ハクさん、ですね。私はノア・レヴァリエと申します」
よろしくお願いしますと、ノアは軽く会釈する。
「早速だがノア。お前は見たところ物見遊山でここに訪れた様には見えん。
何があったのか、話して貰おうか」
「はい……、それではお話します。
ですが……先に一つだけよろしいですか?」
ノアは話すことにどこか躊躇していたが、その重い口を開いた。
「私、記憶喪失なんです。ですから覚えている部分しかお話できなくて……」
その言葉にコクはぽかんと口をあける。
そして呆れたようにため息をついた。
「アンタそれでよく今まで一人でやってこれたな……」
「それではご説明します、私の使命。
あのローブの方の事を……」
ノアは戸惑いがちに口を開いた。
「私の法具、ハコブネは本来とある法具を封印し続ける為に生み出された物です。
その法具の名はグレンデル。能力は身につけた人間の悪意を増幅させ、悪意で支配する能力です。
私、いえ、私達ハコブネの一族は代々グレンデルを封印し続けていました。
通常の法具は人を選びますが、法具使える人間なら他の法具も使えます。
ですがハコブネは少し特殊で、生涯一人のものにしか扱えません。
そこで、一族内から誰かがハコブネの巫子として選ばれます……。
私はその巫女に選ばれました。
そうして、私はグレンデルを封じなければいけないのですが、ある時グレンデルを封じる一族でありながら、あるものが禁忌を犯し、グレンデルを持ち去ってしまったのです」




