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「あのローブのヤツはすっかり指名手配だ。
だけどずっとフード被ってて誰も顔は見ていない。
お陰で残った騎士団連中も手に負えねぇって話だ」
ノアはローブの人間を思いだし、急いでベッドから抜け出す。
「行かなくては……。コクさん、2日もありがとうございました。
私はすぐにあのローブの方を追います。
お世話になりました」
そう捲し立てるとノアは自分のトランクを掴んで出ていこうとすると、身体は言うことを聞かず、その場に膝をついた。
「おい無茶すんな!理由はわかんねぇけど、アンタが倒れたのは法力不足だぞ!
回復するまでまともに動けやしねぇよ!」
「やっと、やっと見つけたんです!
早く追わないとまた誰かが……!」
ノアは壁に手を添えて無理に立とうとするが、足はノアの言うことを聞いてはくれない。
代わりに"自分の使命"を果たさねばという焦りだけが今のノアを掻き立てていた。
ふと、目の前が少しだけ暗くなる。
見上げるとそこにはコクの姉とおぼしき女性が立っていた。
「戯け」
女性は吐き捨てるように呟く。
料理中だったのか、女性はその言葉と共にこつんとお玉でノアの頭を軽く叩いた。
「己も満足に守れん奴に何が守れると言うのだ」
女性にぴしゃりと正論を述べられ、ノアは何も言えなくなる。




