ダイヤモンドの騎士
首飾りの行方は判明したが・・・
取り戻す方法はあるのだろか。
男から謝礼を受け取り、帰路につく。
『勇気を失う事は全てを失う』か・・・
宿に着いてからも今の自分の事を言われているようで
その言葉がずっと頭から離れなかった・・・。
世話になった盗賊の人達。
その人達が横流し品の中から
必死に見つけてくれた王家の形見。
あの人達は元気だろうか。
あの頃、計画していた希望が
ことごとく閉ざされて行く中、彼等が一歩をくれた。
だから今がある。
たぶん今自分に必要なのは、誰かからの答えではなく
答えを導き出せる勇気なのだろう。
やはり前へ進もう。
一晩悩み、どの道取り返せないのであれば
条件を呑みユニオン設立資金に充てる事にした。
起き出してきたィシウに行き先を告げ
共にアダラジャーの屋敷まで向かう。
アダラジャーの屋敷までは、片道だけでも半日以上掛かる。
馬車を使えれば、半日程で片道どころか往復ができるのだが
当然そんな余裕などない。
屋敷に着くと従者の小人族へ要件を告げ
謁見の間へと通される。
先日の約束通り、自分の掌をナイフで傷をつけ
渡された小瓶を自らの血で満たす。
小瓶に栓をし、アダラジャーへ渡す代わりに
一袋の金貨を受け取った。
アダラジャーは懐から王家の首飾りを取り出すと
禁書解放の準備をするよう
掌の手当てをしてくれている従者のポークルへ命じた。
詮索はしない約束だ・・・。
禁書解放という言葉に不安を覚えながらも、屋敷を後にする。
これでユニオン設立の準備は整った・・・。
―翌日―
「約束通りユニオンの名前は自由にさせてもらうよ!」と
フェンが張り切っている。
いよいよ自分達のユニオンが出来るのだ。
「じゃあ次はメンバー集め勝負だな!!」と言うィシウに
「ふふん。残念ながらもう目星はついてるんだ
あの人を誘おう。」
そう言うと広場を指差す。
指を差した彼方には
いつも定位置で商売をしている鎧を着た姿が見える。
「じゃあユニオン設立が済んだら
早速声をかけに行こうぜ!」
とィシウがユニオン管理人へと歩みを促す。
ユニオンの名前は既に決めていた。
「ここに署名とユニオンの名前を記入下さい。
文字が書けない場合には、200Gで代筆も可能です。
既に同じ名前のユニオンがなければ
手数料の支払いが完了次第
ユニオンの登録が完了しますよ。」
「これでお願いします。」
署名とユニオン名を書き、設立金と共に提出する。
ふと昔の記憶が蘇る。それは随分と昔の事の様に思えた。
「おめでとうございます。
ユニオン名に重複もありませんので、登録出来ます。
こちらが登録証です。」
いつか必ず凱旋を果たし国を取り戻したい。
そんな想いを込め
自国の象徴であった騎士団の名前を付けた。
渡されたユニオンの登録証には
しっかりとその名前が記載されている。
ユニオン【ダイヤモンドの騎士】と・・・。
エピローグもありましたが、完全に内輪ネタの為
なろう版では、これで完結となります。
最後までお付き合いいただき
本当にありがとうございました。
気が向いたら、別の投稿をするかもしれません。
またどこかでお会いしたらよろしくお願いします。




