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Prince of Stealer  作者: FEN
10/16

彩りのある食卓

初探検で胸躍らせる主人公達ですが

いわゆるダンジョンで、お宝を手に入れる為に

しなければいけない事があります。


フェン達は上手く出来るのでしょうか・・・。

何とかバリケードを突破し、先に進むと下水路に出た。


そこは、橋上と下水道の上下二手に道が別れており

橋上には、煙の塊型のモンスターがおり

紫色の煙幕のようなものを撒き散らしている。


もう一方の下水道側だが、皮すら残っていないような

凄まじい姿をしたゾンビがいた。なんか速いし・・・


真面目に怖かったので、橋上ルートを進む事にした。


橋の上は手すりなどなく、幅も狭い。

しかも煙の塊が出しているガスは、見るからに

吸ってはいけないヤツである。

色々なところに注意しながら進むと、橋の継ぎ目が見えてきた。


そこは少し広くなっていて、箱のようなものが見える。

ここに入って一番最初の"おたから"である。


きっとあんな物やこんな物が入っていて

今夜の食卓はとても彩りのある食卓にちがいない。フフフ。


自然と笑が込み上げてくる・・・。

が、突然、視界がぐにゃりと歪み、猛烈な吐き気が襲ってきた。

そこはまだガスの中だったのである。


急いでバッグを漁り茶色の小瓶の中身を飲み干した。

文字通りスーッとした感じが心地よく、すぐに気分が良くなった。


ィシウに「何してるんだ大丈夫か?」と声をかけられたが

「大丈夫!彩りのある食卓が待ってる」と返事をしても

ィシウはキョトンとするばかりであった。可哀想に・・・


ガス地帯も抜けたので、早速、開錠にとりかかる。

「うわっフェンちょっと待っ」と

ィシウが言い終わらないうちに激しい爆破音が響き

今度は透明ビンの傷薬を身体に塗りたくるハメになった・・・。


だが、箱は開いた!!

彩りのある食卓は約束されたのだ!


中には、爆発でひしゃげたのであろう槍と

粉々になった何かのカス、変な臭いのする皮鎧が入っていた。

いつも通りの夕飯が確定した瞬間であった。


その先には冒険者の灯火があり

近くの岩陰に小人族がいるのが見え

さらにその奥には、犬の頭をした人間が三匹いる。"コボルト"だ!!


状況から見て、その小人族もコボルトに手を焼いている様だ。

共同戦線を張るのもいいが、冒険者の中には同じ冒険者を襲う

ならず者も少なくない。悪事が過ぎ、賞金首になる者もいる程だ。


死ぬことをためらわないのも間違いである。

蘇れると言っても、細かなルールが存在しており

死んだ時点で洗礼を受けていない者は勿論のこと

激しく魂を損傷するような死に方や

霊界で迷ってしまうなど、死亡してから

時間がかなり経ってしまった場合も、現世に戻れなくなるという。


警戒できるところは、なるべく警戒した方が良いと言うことだ。


さて、目の前の状況をどうするかである。


まずは、足音を立てないように、小人族の後ろに忍び寄り

口と肩を押さえつけた。

飛び上がるとはこの事だろう。声にならない叫び声をあげて

その小人族は、バタバタしながら地面にへたり込んだ。


ーーーー

「あそこに宝箱が見えるだろう?

ヤツラなかなか上等な鎧を隠し持ってるんだ。」

無事アレを手に入れたら結構な金額を出させてもらうよ。


クハラという小人族のファイターは

そう言うと、コボルトが守っている宝箱を指差した。

三匹を相手するとなると、乱戦になる。

それなりの戦い方をする必要があるだろう。

こんな事もあろうかと、罠作成ツールを買っておいて良かった。


まず、トラップを幾つか設置し、囮がコボルトを引きつけ

そこに誘い込み、手傷を追わせ一斉に仕留めるという戦法でいこう。


クハラに囮を任せ物陰に隠れる。


二匹のコボルトがクハラに気がつき、襲いかかって来た。

クハラが撤退する振りをし

上手くトラップエリアに誘い込んだのを見計らって

二人でそこへ躍り出た。


その瞬間、無数の小槍が、コボルトに襲いかかり手傷を追わせる。


だが、その餌食になったのは一匹だけだった。

なんともう一匹は、大きく跳躍し空中にいた。


「うわっ、そんなのありかっ」


慌てながら態勢を立て直し、ィシウとクハラに

手負いのコボルトと後から走り寄ってきた一匹を任せ

跳躍で罠をかいくぐった、無傷のコボルトの注意を引く。

幸い、相手は短めの片手剣をただ振り回すだけだ

簡単に隙をついて攻撃できる。


不利と見たのか、相手は構えを変え、力を込め剣を振り上げた。

まともに当たったら命がないだろう・・・

だが大振り過ぎて、隙だらけである。


身体の軸をずらして攻撃を避け、後ろに回り込み

強撃からの連撃を浴びせると「コゥーーン」と鳴いて

地面に倒れた。


ィシウ達と距離があいていたので、一人で戦う羽目になったが

まぁザッとこんなもんである。

勝ち誇った様な表情を向けると、二人とも感心したようだったが

すぐに「あっ」という表情になった。

視線は自分の後ろに向いている。


振り返る瞬間から景色がスローモーションになり

コボルトがこちらに飛びかかりながら

振りかぶった剣を、力任せに振り下ろす瞬間が見えた。


ザシュッ


不快な異物感が身体の中央に走る。と、同時に激痛が襲ってきた。


――

次の瞬間、色のない世界にいた。


「ウギャーいてえええええええ」

この前もそうだったが、死ぬ瞬間の痛みは軽減され無いらしい。

コレ痛すぎる・・・

死んでいるのだから当然だが、その辺もう少しサービスしてもらえないのだろうか・・・。


先ほどの灯火で復活を遂げると

フェンの仇を取った二人との感動の再開・・・は待っておらず

二人ともコボルトの死体を漁っていた。


薄情過ぎやしませんか・・・?


ィシウに目で訴えかけると

早く開けろよ、仕事だよ。と言わんばかりに宝箱をアゴで指した。


今度は慎重に探り、開錠に成功した!

中には貴重なコイン数枚と

クハラが目をつけていた鎧が入っていた。

「おお、早速持ち帰らせてもらうよ」と言って

そのまま奥へ進み出す。


「ちょっと待て、そっちは違うだろ?どこに行くんだ?」

とィシウが聞くと

「えっ、この先のマジックポールから街まで戻れるぞ?」

とクハラ

「えっそうなの?」と二人で全く同じ反応をし

ここを出るまでクハラと協力をすることになった。


しかしクハラ以外は、すぐそこのモヤを通れない。

認証コードなる物が必要らしい。

結局、あの凄まじいゾンビのいた場所まで戻ることになった。


本当に行くんですか、色々怖いよあれ・・・。

心臓をバクバクさせながら、ゾンビやカエルを倒し奥へ進んだ。

認証コードを受け取る頃には、腰が抜けてヘロヘロになっていた。


モヤの先には、盗賊団の根城もある・・・。

気合を入れ直し、盗賊討伐に向かったが

なし崩し的にクハラにも手伝わせたので、あっさり撃退できた。


早速帰ってギルドへ報告し、クハラからも鎧代をせしめよう。

彩りのある食卓までもうすぐだ。

初ダンジョン見事クリアです。

色々な物を注文するお金も入手でき

彩りのある食卓になりました。


次はどんな冒険をするのでしょうか。


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