俺は勇者だからな。いいえちがいます。
ー話目にブクマ一つ、二話目にブクマ一つ
すごくありがたいです。やる気が漲ってきます。
零時ちょい過ぎに更新したところ深夜三時と比べてアクセス数が半分くらい低かったのでこの時間帯くらいに毎回更新したいと思います。
もしかしたらいろんな時間帯で試すかもしれないですけど。
朝日が俺の目蓋の中の網膜を刺激し目を覚ます。しばらく経つとノックする音が聞こえ返事をすると当たり前のように部屋に現れるリリアナ、朝はドレス姿の様だ。今日のドレスも純白である。ところどころ花の飾りがついており昨日とは違うドレスのようだ。太陽の日を浴びた神々しいまでのドスケベ姿じゃなくて残念だった。
このチョーカーが何のために付けたのか判明しなかったらリリアナに恐怖していただろう。
しかし一国の王女が正体不明のやつと一緒にいていいのか、不用心だと思う。そんな俺の心配も気にせずリリアナは笑顔を振りまく。
しばらくすると侍女が朝食を持ってきてリリアナといっしょに朝食を取る。
リリアナの異世界言語勉強が始まったようだ。
朝食を一口食べて異世界言語を言い笑顔になる。
そしてもう一回食べて違う異世界言語を言いショボくれた顔をする。きっと美味いか不味いかだろう。
だから俺は笑顔で「おいちー」と日本語で言い放ってやった。
そこから身支度を済ませた。動きやすそうな服を持ってきてそれを着る。リリアナと手を繋ぎ王宮を出てしばらく歩くと騎士たちの訓練場に連れて行かれた。
金髪碧眼のイケメン青年が指示を出し、騎士達が朝の稽古に精を出す。
この人がここのリーダー的存在みたいだ。
イケメンが自分を指差して、「アレックス」と名乗る
「リオ」と自己紹介を済ませる。
そしてアレックスが大声で叫び訓練してる騎士達が一同に集まり隊列を組んだ。
アレックスが喋ってるのを何言ってるかわからないから流しながら聞いてると「リオ、リオ」とアレックスに呼ばれみんなの前に立たされた完全に自己紹介の流れ。
自分で指を指して「リオ」って大きく声を張ったよ。初めが肝心だからね。拍手された。
拍手は異世界にもあるんだね。騎士達が訓練に戻っていき、アレックスについていたら剣を渡された。
いきなり剣かよっと引いていたら近くにいたゴリラっぽいゴツい騎士が俺を見てなんか笑っている。
あの顔はこんなひょろっちい奴が剣なんか持てるのかよって感じの顔だ。
どれいっちょ握ってみますか。俺は気合いを入れ握ると重みが感じなかった。アルシェの肉体改造が効いてるのかな?
俺はドヤ顔でゴリラ顔を見たらつまんなさそう顔をして稽古に戻っていった。
アレックスが剣を素振りし出してそれを真似していっしょに素振りを一時間くらいしてから、木剣に変えられプロテクトみたいなのを肩や胸につけ、俺に対して木剣を軽く肩や胸のプロテクトに振るってコツンと当てるアレックス、リオもやってやってって言わんばかりの手振り素振りに俺は打ち合いだと判断し、何度もアレックスと打ち合いをさせられた。
防ぐ防ぐ俺の攻撃を木剣で当てて防ぎまくるアレックス。
しばらくして慣れてきたのかアレックスのプロテクターにちょいちょい当てれるようになってきた。
やっぱり俺TUEEEようだ。
少し休憩に入りゴリラが俺の視界に入ったので、休憩後にゴリラに指先をくいっくいとすると顔をにぃと笑わせてこっちに向かってくるゴリラ。
ゴリラと打ち合い。すごいボコボコにされ実力の差を痛感し、あまりの痛さに涙が出るかと思った。ゴリラはかなりスパルタ。この間まで外すら出なかったのにこの猛特訓で木剣を思いっきり弾くから指の皮が捲れて痛くて愚痴をこぼしたくなった。肉体改造されてなかったらこの日死んでいたに違いない。アレックス打ち合い手加減しててくれたんだね。異世界人強すぎ、気付かず調子乗りました。
昼くらいなり、リリアナが戻ってきた。
俺の手を見てなんか言うとリリアナの手が光り出して皮が治っり腕の疲労感も消えていく。
思わずおお〜って言ってしまった。これが魔法なのかと感動。
またリリアナに連れて行かれ風呂場に到着。またいたいけな俺の肉体を侍女に綺麗綺麗にされてしまった。見られながら為すがままにされることに快感を覚えそうになった。
風呂を済ませたあと自分の部屋で食事をし、王様達がいなくてゆっくり自分のペースで食べれて気が楽だった。ただしリリアナがひたすら俺を見てくるので食べづらいとだけ言っておこう。
食事後はリリアナ先生による異世界言語の授業をし、時間が過ぎて自由にできる時間になったが、アルシェが魔力のコントロールの仕方を教えるのじゃと張り切りながら言ってきてこれからは自由の時間は全て魔力コントロールに費やすことにさせられた。
「まずは座り背筋を伸ばし、呼吸を一定の感覚に揃えるのじゃ。そして手の平に合わせ、人差し指に集中する。
僅かに光れば成功じゃ」
まず手本を見せると言って手が勝手に動き出す。
そして手の平を合わせ人差し指の指先が光り、「これが魔力をコントロールし、指先に魔力を集めるということじゃ」
身体の中に言葉では表現しにくい流れが指先に集まってる感覚がある。どうやら肉体をアルシェが操作してるときも感覚があるみたいだ。
「俺は勇者召喚で召喚された勇者だからこれくらいは楽にこなしてみせるぜ」調子を乗った俺に現実がのしかかる。
「勇者召喚で召喚されるように肉体を調整したが理音は勇者ではないぞ?」
俺の勇者の伝説は早々に幕を降ろしたようだ。
では俺は何のためにこの世界に来たのか?
そう全ては幼女の為に来たのだった。
魔法のおぱんちゅというご褒美をもらったことの方がインパクトあり過ぎて二日目にして忘れてた。
俺はアルシェの言う通り手を合わせる。そして今さっきの感覚を頼りに指先に集中すると微かに光が発生する。人差し指指を光らせたいのに薬指が光ったり、全部の指が光ったりでけっこうコントロールが難しい。出来ても維持するが大変だ。
これが第一訓練、これができたら精密コントロールの練習をし、初めて魔法を使える段階になるらしい。これが出来ないと上手く発動しなかったり魔法が弱かったり、最悪暴走するらしい。
俺はこれから毎日魔力のコントロールをさせられるのかと思うと辛かった。全て訓練勉強訓練だからだ。
最初から俺TUEEEEEEとか「これが俺の能力だ雑魚ども消えるがいい」とか言いながら我が物顔でチート魔法を扱えると思っていた俺は異世界生活舐めてた。完全に舐めプしてた。どんなに巨大な力があってもコントロールできなきゃ意味がないということだな。
きて早々異世界の社会の荒波に呑まれそうな予感。
魔法使ってみたいので魔力コントロールの特訓頑張ろう。
★☆★
暗闇をランプの光が照らす。
歩いてた男は他の扉とは少し違う少し豪華な装飾が施された部屋の扉の前に止まり、ノックをする。
「入ってよいぞ」
部屋の中にいる男の優しそうな声が聞こえる。
「勇者様のご様子はどうであった?」
男は話を聞きたくて落ち着かないようだ。
「国王陛下報告します。 報告によれば勇者様は物覚えはよく半年以内には意思疎通ができると思われます。そして剣の稽古ですが、まったく剣を握った事がないみたいでしたが、身体能力や動体視力も良く、剣技を学び、上達すれば今より格段に強くなると思われます。性格ですが温厚で優しい人柄みたいです。今のところ、勇者召喚で呼び出したことでの怒りや戸惑いとかもないと思われます」
男の報告に優しそうな声の男が満足気な表情だ。
「言語が通じなかったとき、勇者召喚に失敗したと思っておったが、今後の成長に期待だな。これからは魔力の制御や魔法の使い方も教え、得意不得意を把握し長所を伸ばす鍛え方と短所を極力克服する鍛え方を。勇者様の成長を手助けしてやっておくれ。勇者様が男でよかった。外見が女顔であったからな、それと
『女神の祝福』の効果がわかったらすぐに報告してくれ」
「了解しました」
男は扉の前で一礼し、出ていった。