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誕生

その後、お互いの連絡先を教えあって別れた二人だがお互いが自分から連絡できないまま月日は流れた。


結局あの日以来二人は会うことのないまま月日は流れ12月を迎えていた。


そんな12月のある日、洋志の携帯が鳴った。


電話の相手は和希だった、少し緊張気味に電話に出る洋志。


『はい・・』

『あっ春間さん・・・あの宮田です、覚えてらっしゃいますか?』

『もちろん、忘れるわけがありません・・・あっ・・・』


思わず出た本音に赤面する洋志、しかし電話の向こうからは微かだがうれしいと呟いた和希の声を洋志は聞き逃さなかった。


『それで・・あのぉ・・・どうしたんですか?』洋志が聞いた。


『あのぉ・・えっと・・・・今年の・・・・今年のクリスマスって予定ありますか?』

いきなりの和希からの予想外の質問に思わずドキッとする洋志


『クリスマスですか・・・・』少し言葉に詰まっていると

『あっ、予定があるなら全然いいんですちょっと聞いてみただけなんで』

慌てて和希が言った。


今年は年明け早々にめでたく全員彼女と別れた男友達と久しぶりにパーティーをやる予定だったが


『いやいや、全然何にも予定ないです、一人で寂しく過ごします』と答えた。


『本当ですか・・・・あのぉ・・・じゃぁ・・・もし迷惑じゃなければ一緒に過ごしませんか?』


『はいはい、全然オッケーです迷惑なんてとんでもない、むしろ光栄です』

『光栄だなんて・・・ありがとうございます』


『時間と場所は?』洋志が聞くと

『そうですね・・・じゃあ・・・二人が初めて出会ったあの公園で』


『あの公園か・・はい、分かりました!それじゃあクリスマスの日に』






あれから5年、二人は毎年クリスマスを一緒に過ごしている。

そして今日、二人で過ごす5回目のクリスマスを迎えようとしていた・・・・。


『どうしたの?ボーっとしちゃって』


『ううん、何でもないよ・・ちょっと昔の事を思い出してただけ・・・』

和希がそう答えると洋志はすぐにピンと来た。


『あっ・・・あの時の事か・・・ごめん嫌な事思い出させちゃったね』

少しバツが悪そうにパソコンの動画を閉じる洋志


『そんな事ないよ、確かにあのCMのお陰で嫌な思いもしたけどそのお陰で洋志と出会えたキッカケにもなったもん、だからいい思いと悪い思い出の両方があるけど、どちらかと言えばいい思い出の方が大きいよ』

和希は話しながら洋志の手を握った。


『そっか・・そうだよな、あの日出会わなければ今の二人はなかったもんね・・・ロマンスの神様のお陰かな』

そう言って洋志も思い出し笑いをする。


『ロマンスの神様?な~にそれ?』

『ん?何でもないよ』


笑いながら洋志は時計を見た。


『ほら、もうすぐ0時だよ乾杯の準備しよ』

5年前のあの日、二人でクリスマスを過ごしてから毎年イブからクリスマスに日付が変わると同時に二人で乾杯をするのがいつからか当たり前になっていた。


そして0時にセットしておいた携帯のアラームが鳴る。


『さぁ乾杯しましょ、二人が出会い付き合い始めた記念日とまた今年も二人でクリスマスを過ごせる事に・・・』


『それから・・・』


『え?それから?』突然の洋志の言葉に驚く和希。


『そう、それから・・・・これから何年先もずっと二人で一緒にクリスマスを過ごしていける様に・・・』

そう言って洋志はポケットに隠していた指輪を取り出した


『和希、結婚しよう』


突然のプロポーズに驚きを隠せない和希。

しかしすぐに大粒の涙と共に声にならない声で答えた


『はぃ・・・うぅ・・・ん・・ううぅ・・しあわせに・・・してね・・・・』


『もちろんだよ、絶対幸せにする!』

力強く返事をして和希を抱き寄せる洋志。


洋志の腕の中で

『今年はいつもより素敵なクリスマスになったね、またひとつ二人の記念日も出来ちゃったね』

そう言って涙を流しながら見せた笑顔はあの日の公園で泣きながら見せた笑顔の何百倍も素敵な笑顔だった。





~エピローグ~




「ただいま」




「おかえりなさ」


「パパ、おかえり~」




「ただいま~伊舞いぶ、よしパパと一緒にお風呂入ろうか?」

「うん、はいる」




あれから5年、二人の間には女の子が誕生していた。


誕生日は神様のいたずらか12月24日、だから名前を伊舞にした。


伊舞は今年で3歳になる。





風呂から出ると和希は夕食の準備をしていた。




「あれ?なんか今日はいつもより豪勢じゃない?」


洋志が不思議そうに和希に尋ねると




「うん、ちょっとね・・・」




若干の照れ笑いをして和希は答えた。




「何?何かあったの?」


洋志が少し不機嫌そうに問いただすと伊舞が割って入ってきた




「パパ、ママいじめちゃメよ!」




すると夕食の準備を終えた和希が食卓に座り話始めた。



「実はね、今日産婦人科行ってきたの」

その言葉に洋志は直ぐに察した。




「まさか・・・・二人目?」




「うん、6週目だって」




「本当か!やった!やったな和希!」

満面の笑顔でまるで子供の様にはしゃぐ洋志を不思議そうに見つめる伊舞。


伊舞の様子に気づいた和希が伊舞に話しかける


「伊舞、もうすぐ伊舞はお姉さんになるの、今ママのお腹の中には伊舞の弟か妹がいるのよ」




「え~伊舞おねえちゃんになるの?やったー」




そして月日は流れ・・・




「う・・・痛い・・・・痛い・・・・」


「頑張れ、もう少しで産まれるぞ!頑張れ和希!」


分娩台の上で陣痛に苦しむ和希、その横には手を握り必死で声を掛ける洋志の姿があった。




そして・・・・





「オギャー、オギャー・・・・」




「おめでとうございます、元気な男の子ですよ」


看護士が赤ちゃんを抱きながら洋志に近づき伝える。




「ありがとうございます」


「よく頑張ったな和希、お疲れ様」




「うん、ありがとう、赤ちゃん見せて」




洋志は看護士から赤ちゃんを受け取ると和希の顔の隣まで持っていく。




「ほら聖矢せいや、ママですよ~」


そう呟いた洋志に和希が聞き返す




「え、聖矢?名前もう決まってるの?」




「当たり前だろ、だって産まれたのがクリスマスだよ、予定日聞いた時には冗談かと思ったけどさ、まさか本当に予定日通り産まれるなんてさ、驚きだよね」


「きっとこれは神様の思し召しなんだよ、伊舞に続いてクリスマスに出産だよ、男なら聖矢、女なら麻里亜にしようって決めてたんだ」


洋志がそう答えると




「そうね、それもいいわね、なんだかんだで私達ってクリスマスに縁があるのねきっと」

和希が笑って答える。




「なんかまるで映画や小説みたいな話だな」そう言って洋志も笑い出す。





クリスマスに和希と運命的な出会いをして。




クリスマスに和希にプロポーズを受け入れてもらい。




クリスマス・イブに二人にとって大切な伊舞が生まれ。




そして今日、洋志にとって4度目のクリスマスの奇跡が舞い降りた。




END



このお話は作中にもあったようにJR東海のCM集を偶然Youtubeで見ていた時、インスピレーションを得て書こうと思った作品です。


あのCMって一つ一つちゃんとしたストーリーになってるじゃないですか


で、自分なりにこのCMはこんなストーリーがあるんだろうなって色々考えてたらなんとなく話が出来てきて、でもあのCMって全部がハッピーエンドじゃないですか、だからあえてバットエンドな話にしてみたい思いとりあえず書き始めてみたのがきっかけです。




その話が作中では和希目線で書かれてる部分です。


で、あとはその前後に上手い具合に話を盛り込んで行った感じです。

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