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コンビニ

恋はするもの、愛ははぐくむもの




誰でも最初は恋をして、その相手と大切に愛を育んで行く




それが恋愛。




恋愛の中で生まれるのが愛情。




しかし愛情も育てていかないとやがて愛が薄れていく




愛が消え残されるのは情。




情だけでは所詮他人同士の二人の絆は繋ぎ止めておけない。




そして情も消え愛し合っていた二人も別々の道を選んで行く。




そして人はまた恋をする・・・。








『今年のクリスマスは一人か・・・』

春間洋志は携帯を切って呟いた。


4年前当時付き合っていた彼女に振られたのがクリスマスイブ。


不憫に思った男友達がクリスマスは皆で過ごそうとパーティーをしてくれた。


それ以降は毎年変わらぬ面子でクリスマスを過ごしていた。


しかし今年は男友達全員に彼女が出来るという奇跡が起きた。


奇跡といえば聞こえがいいがなんてことはない

2週間前に行った合コンでクリスマスまでに彼氏彼女が欲しいやつらがなし崩しで付き合った様なもんだ。


唯一合コンに参加していなかった親友の拓海からも先ほど電話で

『一昨日サークルのコンパで後輩から告られてさ、付き合うことになった

だから今年のクリスマスは一緒に過ごせないんだわりぃ』


(結局こいつもクリスマスを目前に目先の欲望に走ったか・・・)

洋志はそう思いつつも

『気にすんなよ、彼女と上手くやれよ』と言っておどけて見せた。


イブを目前にしたドタキャン、既にパーティーの準備をしていた洋志にとっては一人で過ごすという事実よりも張り切って準備していた事実に恥ずかしさと虚しさが襲いかかっていた。


『はぁ~俺ってば一人で何張り切ってるんだか・・・』ベットに横になり呟いた。


携帯のアラームで目を覚ます

どうやら昨日はあのまま眠りについた様だ。

動き出す気力はなくても腹は減る、洋志は用意していた御菓子を食べ空腹を満たした。


クリスマスムード一色の街に出かける気力はない

家でTVを見ていても画面から流れてくるのはクリスマスの特番ばかり

クリスマスを一人で過ごした事は今までも何度かあったが今回ほどクリスマスが嫌に思える日はない

こんな日は眠って過ごしてしまおう、そう思い再びベットに潜り込む。


再び目が覚めたのは時計の針が23時を半分過ぎた頃だった。

『はぁ~今頃みんなは盛り上がってるんだろうなぁ』

ため息混じりに呟いた。


とりあえず一服しようと煙草に手を伸ばして気がつく

(あっ、寝る前に吸ったのがラスイチだった・・・)


煙草と軽い食事を買いに行く為に近くのコンビニへ出かける事にした。


アパートから歩いて10分の所に馴染みのコンビニがある。

洋志は1日1回は必ずここで買い物をするので店員とも顔馴染みだ。


コンビニに入ると『いらっしゃ・・・あっこんばんは』

いつも居る女性の店員が声を掛けてきた。


『どうも』軽く会釈してそそくさと雑誌のコーナーへ向う

時間的なものもあり店内には洋志一人しか客は居ない。


(クリスマスイブにもバイトか・・・あの子も彼氏居ないんだ・・・それほど可愛いわけじゃないけど普通よりはいいセン行ってると思うけどなぁ)


そんな事を考えながら特に欲しいものも無い雑誌コーナーを物色する。


パンとおにぎりと温かい缶コーヒーをもってレジに向う

『あと煙草下さい』そう言うと

『はい、一つでいいですか?』

『はい』

いつからだろう銘柄を言わなくても分かってもらえる様になったのは・・・ふっとそんな事を考えてると


『あっ、もうすぐ日付けが変わりますね、ちょっと待ってて下さい』

そういって女性の店員はレジの横のスタッフルームらしき所へ走っていった

小さな小箱を持って戻ってくると


『これ休憩の時に食べようと思ってたんです、良かったら一つどうぞ』


そういって差し出したのは小さなショートケーキだった。


『あぁ・・ひょっとしてクリスマスだから?』

少し困惑気味に洋志が言うと

『はい、メリークリスマス』

少し照れながら彼女は微笑んでそう言った。


その時丁度店内の有線から曲が流れてきた。



『メリークリスマス』洋志も少し照れながら言った。



『勇気と愛が世界を救う 絶対いつか出会えるはずなの♪』


帰り道コンビニで流れていた曲を口ずさみながら今年のクリスマスが少しだけ好きになった洋志だった。



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