表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/40

第十五話「秘密だらけの建設業」

第十五話「秘密だらけの建設業」


 次の日から、ゴーレムを中心に穴掘りが始まった。ステラも作業着に着替えてスコップで穴を掘る。


「ところで、なぜに手作業なのかのう?」


 アルが首を傾げる。ダンジョンのカタログを見ると、地下ダンジョン生成の種があるとのことだった。


「ダンジョンの種で作ってもいいですけど……ほら、ここを見て下さい」


 注意書きで、どのようなダンジョンになるのか不明となっていた。そう、ダンジョン生成の種で作るとしっかりとした構造になりお手軽ではあるものの、形を指定できないのである。


「我は別に構わんぞ?」

「魔王の部屋まで一直線ということもあり得るんですよ?」

「うぬぅ……それは困る」


 追加で部屋を増やそうにも、構造がしっかりしているためかなりの手間と費用を要する。そのため代理人の中では手作業で作るのが一般的とされていた。

 強力のゴーレムの力もあり作業は順調に進んでいく。


「……はて、ここは何じゃ?」


 アルが壁に窪みを見つけて尋ねる。


「それは……ほら、こういう風にするんですよ」


 穴の補強用に使用する鉄筋を支える穴だった。窪みの位置は正確で、きっちりとはまる。


「正確だのう……」

「はい、任せて下さい!」


 こうして小規模ではあるものの、地下にダンジョンが徐々に作られていく。だがこれでは平地型と変わらない。それを回避するため、ステラはいくつも細工を施していた。


「この魔法陣は何かのう?」

「それは……秘密です!」


 ステラは悪戯っぽく笑った。


「さて……そろそろ罠を仕掛けましょう」

「罠……とな?」

「はい、罠です。そうですね……落とし穴なんてどうでしょう?」

「何とオードソックスな……。古典的過ぎないかのう?」

「アルさん、落とし穴の先には魔物の巣窟……セオリーですよね?」

「うぬ、そうだのう」

「ですが、この先に魔物の巣窟なんて作りません。第一、そんなの作ったら魔物たちが大量にやられるだけじゃないですか」

「……では、何を作るのじゃ?」

「それは見てのお楽しみです!」


 ステラの建設計画には秘密が多かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ