第十話「一攫千金って簡単だったの?」
第十話「一攫千金って簡単だったの?」
アルはステラの説明を受けて驚愕した。
「な……何じゃとっ!? お宝があると資金を貰えるのか!?」
そう、魔界では保有するお宝に応じて資金の援助がなされる。お宝は容易には準備できないので、それ相応の力を持っているという保証になるのだ。
「細かいことは置いておいて、とにかく! これがあれば地下のダンジョンを作るのだって簡単ですよ!」
「うぬぅ……何と言う失態。そのようなことに気が付かぬとは」
「……ちなみに、他にも持っていたりしますか?」
「うぬ! 良い機会じゃ、そちに見て貰おうかのう」
アルはお腹に手を入れてまさぐる。
「これは百年前にあったという幻の瓶に付いていた蓋じゃ!」
「えぇと……これは対して価値がないかもしれないです」
「こっちは魔界最高峰の山にしかない石じゃ!」
「ううん……少しくらいは価値がありそうですね」
「これは……」
そんな感じでアルのお宝鑑定が始まったのだが、龍の宝玉以外にかなりの価値のあるお宝は無かった。
「うぬぅ……世の中は厳しいのう」
「そんなものですよ」
アルの小さい方をステラは優しく励ますように叩く。
「……それで、どうしますか?」
「決まっておる! スラミーを一人ぼっちにしておくわけにもいかぬわ!」
ちなみに、スラミーとはアルが付けたスライムの名前だ。
「わかりました。じゃあ魔界銀行に連絡しますね」
ステラが連絡を入れると、怒鳴るような声で会話が進む。そして連絡が終わった時、ステラは泣きそうな顔をしていた。
「どうしたのじゃ?」
「うぅ……そんな高価なお宝があるのに、どうして今まで連絡しなかったのかと大目玉を食らいました」
「それは……何だか申し訳ないのう」
ステラが肩を落とすと、のっそりと近寄ってきたスラミーが足に頬擦りをした。
「ありがとう、スラミー。よし、頑張ろう!」




