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今日の理科室にて。

 今日の理科室は、とても静かでした。

 二年生は職場体験、一年生はみんな帰宅。三年生5~7人だけの空間。


「なつかしいね」

「この広々とした感じ、好きだったな」

「いつもの理科室は、人口密度が高いもんね」


 そんな会話をしながら、ちょこっと寂しくなりました。

 広々として自由だった理科室を守れなかったのは自分で。人口密度の高いごみごみした空間にしてしまったのは自分で。だからこそ、三年生の部活へのやる気を落としてしまったのだと自覚して。


 三年生が来てくれないから後輩のしつけがうまくいかないとか、部活がきちんと出来ないとか、文化祭すら協力してくれないとか。

 結局、それは全て部長の、ソラの責任だったんだと改めて感じました。


 部長だったら、守らなくちゃだめですよね。去年までの、居心地のいい空間を、ちゃんとそのまま残しておく努力をしなくちゃいけなかった。

 それなのに、自分のことに追われて、研究テーマがどーのこーのに追われて、顧問への不満がつのって。そんなことをしているうちに雰囲気は壊れて、いつのまにか


「前の科学部じゃない」

「あんな科学部、行きたくない」


 そんな空間になり果てていました。


 あーあ、部長失格。

 もっと早くに、気付かなきゃいけなかった。もっと早くに、改善する手立てを考えなきゃいけなかった。


 もうソラが部長としてトップに君臨出来るのは、科学展が終わるまで。あと、2か月もありません。あとちょっとで、部長は交代。世代交代をしなきゃいけないのです。

 このままで大丈夫か。こんな感じで、ソラは卒業できるのか。

 文化祭だって上手くいかないかもしれない。科学展だって良い成績を残せないかもしれない。次の部長が決まらないかもしれない。二年生は部活を仕切ることが嫌かもしれない。


 怖いな。

 ソラ、これでも一生懸命だったのに。それは空回りで、ちゃんと形をなしていなくて。


 ソラが部長になった時は


「あんな風にしっかりしたい。ちゃんとみんなをまとめたい」


 そんな風に、前の部長を尊敬したのに。今だって、目指す人は前部長なのに。

 二年生は、


「あんな部長にならないように。今年の科学部みたいにしないように」


 と思うのでしょうか。ソラは反面教師ならぬ、反面部長なのでしょうか。

 そんなのイヤだな。でも、それが今までやってきた成果なら、仕方ないかもしれない。


 諦めと不安とちょびっとの寂しさを抱えて、あとちょこっとの時間を、ソラは部長として乗り切りたいと思います。

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