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第三話

キンコーンとチャイムの音がする。

お、お兄ちゃんだな。早いなぁ、また運転手さんに無茶させたな。と苦笑しつつカメラを見てロックを解除する。


「唯ーーー!!!だたいまーーー!!!」


いきなりむぎゅーーと苦しい位抱きしめられた。

うぎゅ。お兄ちゃん…苦しいよ!!玄関の扉開けた瞬間抱きしめられて、私はあまりの苦しさに声も出せずにいた。


「秀人様、唯様が苦しそうです。離してあげてください。」


と静かな優しい声が後ろから聞こえてくる。


その言葉を聞き、お兄ちゃんの腕の拘束が緩む。あぁ。酸素万歳!!呼吸を整えながら、思わず空気に感謝の意を示そうとしていたら、お兄ちゃんが「ごめん、ごめん」と謝ってくる。

…軽くお花畑がある川が見えたよ、お兄ちゃん。と涙まじりの顔をお兄ちゃんの後ろにいた高橋さんに向ける。


「おかえりなさい、高橋さん。お兄ちゃんのお世話お疲れ様でした。大変だったでしょう?お兄ちゃん、ワガママだから。あ、お兄ちゃん、おかえり。」


「え、唯。僕おまけなの?そんな軽い扱い?」


「だってお兄ちゃん、来るの早すぎ。絶対高橋さんと運転手さんに無理言ったんでしょう。高橋さんも駄目ですよ、お兄ちゃん甘やかしちゃ。」


「そんなことはないよ!!道路空いてたんだ!!」


「混んでましたよ、唯様。」


「ばらすな、零!!」


都合の悪そうな顔をするお兄ちゃんと、飄々とした顔をした高橋さんについ吹き出した。

高橋さんはお兄ちゃんの秘書兼、マネージメントを務めている。お兄ちゃんと高橋さんとは、高校時代からの付き合いだそうで、お互いに遠慮がない。


「唯ちゃん、労ってやって。このバカ、本来ならもう2週間はかかるとこを終わらせて帰って来たんだ。」


「零…口調が戻ってるぞ…」


「まぁ、もう唯ちゃんしかいないし?ただいま、唯ちゃん。」


「おかえりなさい、高橋さん。とお疲れ様でした。」


「唯、僕は!?」


「はいはい、おかえりお兄ちゃん。それとお仕事頑張ったねー。お疲れ様。ところでもう離して。」


いつまでも私を離そうとしないお兄ちゃんが、もう一度むぎゅーと抱きしめた後、ようやく離してくれた。


「あぁ、やっぱり唯におかえりって言ってもらえるのが一番だね。で、零。お前いつまでいる気なんだ?さっさと帰れ。」


と私を片腕に抱きしめ、高橋さんにしっしと手を振っている。それを見てお兄ちゃんを睨みつけ、高橋さんに「ごめんなさい、高橋さん。大人気なくて。」と謝罪する。


高橋さんは「別に気にしなくていいよ。」と笑いながら、「今日は帰るよ。お疲れ、秀人。」と言って

ひらひらと手を振って帰って行った。


登場人物が増えていく…

11/26 高橋幸一郎の名前を変更しました。

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