エピローグ
目を開けると、目の前には茶色くて懐かしい机が見えた。
「麗華?どうしたん?気分悪いの?」
前の席に座った高崎沙也加が心配そうな顔で覗き込んでくる。
ここは・・・教室?
「おはよ~。」
教室の後ろの方から、小さな眠そうな声が聞こえて来た瞬間、私は飛び上がるように立ち上がった。
「ど、どうしたのよ、麗華・・・。」
沙也加が驚いたような表情で見上げてくる。でも、それに構っている暇はない。
勢いよく振り返ると、そこには・・・いた!いてくれた!!
机の間をすり抜けるのももどかしく、あちこちぶつかりながら真っすぐ彼の席に駆け寄る。
私に気づいたのか、驚いて後ずさる表情も愛おしい・・・。
「亮くん!!」
気づけば彼の胸に飛び込んでいた。流れ出した涙も止まらず、彼の制服を濡らしてしまう。
「100年以上ずっと、ずっと一緒だった・・・。もう会えないかと思った・・・。」
亮くんは明らかに戸惑っていたけど、それでも優しく私の肩に手を添えてくれた。
亮くんがここにいる。その存在を感じることができる。
もうそれだけで十分。もう私を選ばなくてもいい。そこにいてくれるだけでいい・・・。
だけど・・・。亮くんの存在を感じた瞬間。そんな覚悟はどこかへ飛んで行ってしまった。
「もう離れない・・・。」
思わずつぶやいていた。
目の端に目を丸くしながら凝視する本山莉子の姿が見える。
今度こそは・・・この70回目のチャレンジこそは、必ず、亮くんと添い遂げられるハッピーエンドにたどり着いてやる!!
私は懐かしい匂いに包まれながら、そう決意した。




