ミシディア共和国 ヴィルヘルム大統領05
ニャール王国の軍港を攻めた海軍からの報告が届く。
制圧できたってことだろう。
当然だ。これだけの技術差と戦力差があるのだ。
しかし、まだ半日しかたっていない。
もう少しかかると思ったがな。
我が国の海軍もなかなか優秀ということだな。
それともフェルマンの功績か。
いずれにせよ。我が海軍は使えるということだな。
わたしは伝令を通す。
伝令は私の前に膝まづいて戦況を述べる。
「軍港を攻めていた海軍からの報告をお伝えします。
海軍は全軍制圧されました」
「どういうことだ!」
わたしは伝令の言葉に立ち上がってしまう。
あの大艦隊が制圧されたって?
ニャール水軍は1万にも満たないという。
それに船だって100隻ほどらしい。
物理的にありえない。
何かの間違いだろう。
「全軍が港に入ったのを待ち伏せされ、後ろの船が水中からの砲撃で沈められました。
それで海軍は港に閉じ込められました。
沈められた軍艦は人口の岩礁となり、港から抜け出せなくなったのです。
動けなくなった軍艦はニャール水軍の餌食となり、掠奪されました」
「戦艦バルカンはどうした。
あの主砲で海軍基地を制圧できただろう」
「戦車による砲撃で無力化されました。
ニャール軍は大爆発を巻き起こす砲弾を使うのです」
「飛空船は」
「簡単に撃ち落とされました。
フェルマン司令官もヒルヴァ副司令官も捕虜となっています」
わたしは黙り込む。
今回の戦争は海軍が主力だった。
国境のほうからも攻めてはいるが、陽動作戦といったものだ。
だが、国境の軍を強化するしかない。
ちょうど、国境軍からの伝令が届いたみたいだ。
国境に援軍をおくろう。
「大統領に報告致します。
ニャールとの国境の陸軍はニャール軍ダオウルフ将軍と戦車の攻撃により全滅しました」
なんだって。
わたしはあまりのことに頭を抱えるしかなかった。




