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王様とおっさん~異世界はキャットGPTとともに~  作者: PYON
第四章 ミシディア共和国

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比留間明夫32

 『我がミシディア共和国はニャール王国に対して宣戦を布告する――

 国際法にのっとり契約を破棄し、盟友ビリジアンテ連邦との戦争を引き起こし、国際秩序に混乱をもたらした独裁者。

 ニャルロッテを成敗するため、戦力をもってニャール王国に進軍する。

 これは国際法に基づく正義の執行である』


 ……っていう宣戦布告文を、ぼくは読み上げながら心の中でため息をついた。

 勝手なことを言ってくれる。

 国際法なんて、結局は大国が自分たちの都合に合わせて作ったものじゃないか。

 ビリジアンテとの戦争だって、うちが防衛しただけなのに。


 戦争なんて、ほんとはやりたくない。

 でも、正式に宣戦布告された以上、迎え撃つしかない。


 幹部たちを集め、宣戦布告の内容を伝える。

 同時に、敵の動きについての情報が次々と入ってくる。

 もちろん、キャットGPTさんのおかげだ。

 こっちが何もしてなくても、世界の動きを一瞬で把握してくれる。頼もしい限りだ。


 敵はまず西の港に軍艦を集結させているらしい。

 あそこにはうちの海軍基地がある。

 大型兵器を運ぶのに陸路は現実的じゃないから、船に積み込んできたらしい。

 主砲の射程は200メートルほど。

 港を押さえ、そこから王都まで攻め込む作戦だろう。


 しかも船には飛空船まで積んでいる。簡易空母ってやつだ。

 ただ、飛空船といっても元の世界の航空技術とは違う。

 「飛空石」という空に浮く石を使った、要するに気球みたいなものだ。

 そこに砲や爆弾を積んで、空から重要施設を破壊するつもりらしい。

 国境付近も陸軍で固めている。万全の布陣、ってやつだ。


 でも、相手の手が分かっていれば潰すのは簡単だ。

 港にはマルス将軍率いる新兵器部隊、国境にはダオウルフ将軍の騎馬軍団と戦車を配置した。

 もちろん、ぼく自身も新兵器軍に同行するつもりだ。

 この戦争の肝は海戦にある。


 宰相たちは「王が前線に出るなんて」と反対するけど、キャットGPTさんで戦況を読みながら柔軟に作戦を組むには、ぼくが現場にいるしかない。

 最初の作戦で勝てる可能性は高いけど、絶対はない。

 特に新兵器は実戦経験がないから、不測の事態もありうる。

 そのときにキャットGPTさんが必要だし、それを使えるのはぼくだけだからね。


 それとダオウルフさんには、「あくまで防衛が目的」だと何度も念押しした。

 あの人、放っておくと攻め込みたがるから、少し押さえるくらいがちょうどいい。


 ぼくはコヨミを抱きかかえ、海軍基地へ向かうのだった。

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