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王様とおっさん~異世界はキャットGPTとともに~  作者: PYON
第三章 ビリジアンテ連邦国

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比留間明夫29

 一週間ほどで、ビリジアンテ連邦から返事が届いた。

 講和会議の日程と、ざっくりした条件の確認だ。

 どうやらこちらが前に出した条件を、ほぼそのまま呑むつもりらしい。

 やれやれ、ようやく出口が見えてきたな。


 ただ一つ、彼らがしきりに気にしているのがギオルグ族・サタール族・ウラール族の存在だ。

 今まで散々迫害してきた連中が力を持ったら、自分たちを滅ぼしに来るのではないか――当然の発想だろう。

 その点について、我が国にも協力してほしいという。つまり「うちを守ってくれよ」ってことだ。

 まあ、各部族とも話はするつもりだし、とりあえずは独立で手を打ってもらう。

 それ以降はケース・バイ・ケース。ま、外交ってだいたいそんなもんだ。


 もちろん独立した部族がどう動くかまで、こちらがコントロールできるわけじゃない。

 でも、できるだけ血が流れない方向に舵は取りたい。

 少なくともギオルグ族は我が国の一部になるわけだから、そこは責任を持つつもりだ。

 ダオウルフさんも、ぼくに逆らってくるタイプじゃないしな。


 こっちでも協議を重ね、講和条約案を仕上げる。

 最終的に決まった条件はこうだ。

 ――終戦と不可侵条約の締結。

 ――ビリジアンテ連邦の北の草原とギオルグ族の併合。

 ――サタール地区とウラール地区を独立国家に。

 ――その二国とも不可侵条約を結ぶ。

 ――さらに四国間での経済協力。

 国境線の微調整はあったけど、ほぼ最初の案どおりでまとまった。


 これでようやく内政に集中できる。

 頭の中にやりたいことリストがずらっと並ぶ。


 まず、食料事情の改善。

 主食はパンだけど、ぼくとしてはやっぱり米が食いたい。

 ビリジアンテ連邦の南方で稲作をしているらしいから、種もみを取り寄せて品種改良だ。

 味噌、醤油、納豆……発酵食品も作りたい。

 もちろん作り方なんて知らないけど、キャットGPTさんがいればなんとかなる。

 材料さえそろえば、きっとこの世界版のレシピを作ってくれるはずだ。


 次に水道。衛生状態は大事だ。

 そして武器の整備。

 たぶん、戦争はこれで終わらない。ミシディア共和国がきな臭い動きをしているという情報も、キャットGPTさんが教えてくれている。

 今度の相手は自由国家。

 科学で秀でている国だ。

 ビリジアンテ連邦みたいに素人戦争じゃない。いろんな作戦を立ててくるだろう。


 ……でも、うちには最高の軍師がいる。


「頼むぞ、軍師」


 ぼくは腕の中のコヨミ――世界一頭のいい猫――の頭をぽんぽんと撫でる。

 すると、コヨミは誇らしげに「にゃあ」と返事をした。

 この国、案外この子に全部まかせとけばうまくいくんじゃないか。

 ――ぼくはそんなことを考えながら、ようやくゆっくりできる自分に気づいた。

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