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王様とおっさん~異世界はキャットGPTとともに~  作者: PYON
第三章 ビリジアンテ連邦国

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比留間明夫20

 翌日、朗報が入った。

 ギオルグ族を人質に取っていた収容所を、こちらの特殊部隊が制圧したという。

 ついでにウラール族やサタール族の家族も救出できたみたいだ。

 これも、キャットGPTさんの作戦の一部だ。

 これで一番怖かったカードは封じられた。

 胸の奥がふっと軽くなるのを感じる。

 あとは、どこまでビリジアンテをごまかせるかだ。

 向こうも戦争中にそんなところを制圧しているとは思っていない。

 今のところは気づいていないみたいだ。

 この世界の通信網は伝言ゲームみたいなものだからな。

 収容所の所長を拉致していうことを聞かせている。

 それだけで十分だとコヨミは言ってた。


 砦の上から敵陣を眺めると、向こうも準備万端。

 長い「鉄の壁」が幾重にも連なり、あれが何キロにも続いている眺めはなかなか壮観だ。

 後方には魔術師の列と弓隊が並んでいて、典型的に「正攻法で来ます」って布陣。

 向こうも本気、こっちも本気。軍人ってこういうの、案外燃えるんだろうな、たぶん。


 こちらも特殊部隊や近代兵器の配置は完了。

 特殊部隊っていうのは要するに「現代の便利な武器を持った強者集団」で、剣豪がいるかと思えばスコープ付きの人もいる、変な混合チームだ。

 このチームが戦争の要となる。

 そろそろ動くニャン。

 コヨミがぼくにテレパシーで伝える。

 ぼくは安全な場所に移る。


 その時、空が矢で埋まる。

 向こうの弓が一斉に放たれたのだ。

 映画でもみたことがない迫力だ。

 それから、大きな魔法陣が空に浮かび、派手な大魔法が撃ち込まれる。

 迫力はあるが、向こうの攻撃はまだ、ここまで届かない。

 鉄の壁は前進を続け前線を押し上げる。

 魔術師と弓兵も後方から支援を続ける。

 だんだん攻撃は近づいてくる。

 丁度いい位置を探しているのだろう。


 見ているわけにはいかない。

 そろそろ反撃だ。砦の城壁に、ロケットランチャーを背負った数十人が現れる(背負うって響きが映画っぽい)。

 彼らが肩に担いで照準を合わせ、発射。これ、普通の銃とは違う。

 あの長い盾の壁を吹き飛ばすくらいの破壊力がある。

 盾数列が吹き飛んでいく様子は、案外爽快だ。


 マルス将軍が合図を送ると、砲弾が次々と飛んでいく。

 直撃した箇所から鉄の壁が消え、三段重ねの防御が瞬間的に崩れる。

 即座に補充はされるが、動揺の色が見える。

 次のロケットが発射される。

 相手の攻撃は砲撃部隊には届かない。

 相手も射程を計っていたんだけど、こっちも計っていたんだ。

 コヨミが相手の攻撃から射程を割り出して、届かない位置に砲撃部隊を配置している。


 さて、ぼくの出番。門の後ろに戻って、最終兵器の操縦席に乗り込む。

 そう、最終兵器とは戦車である。

 小型一台だけど、こっちの世界では十分に通用するはず。

 運転は教えきれなかったから自分が行くことになった。

 運転経験はあるし、AT限定の時代ではないからなんとかなる。

 悪路を走る場合、ギアの切り替えは欠かせないからね。

 基本操作は自動車とほぼ同じ、ちょっとだけガチな車って感じ。

 ぼくたちの頃の免許は4トン車まで乗れるんだ。

 だから、運転は余裕。


 砲撃は砲手に任せる。ぼくの仕事は運転と、必要なら接近しての押し込み。

 相手が「まだ戦車がある」と思ってくれるのも抑止力になる。

 門が開き、エンジンをかける。

 クラッチをつないでアクセルを踏むと、鉄の巨体が低くうなりをあげ、第一次突撃へ向けてゆっくりと動き出した。


 心の中で軽くつぶやく。頼むぞ、コヨミ。

 そしてコヨミのナビゲーションに従ってぼくは前進を始めるのだった。

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