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王様とおっさん~異世界はキャットGPTとともに~  作者: PYON
第三章 ビリジアンテ連邦国

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比留間明夫15

 砦の上から敵陣を眺める。

 ――おお、出たな鉄の壁。

 見渡す限り、ピカピカの盾が整列していて壮観だ。

 まるで巨大なアルミホイルを貼り付けたサイみたいだ。


 あれはたぶん、拳銃の対策だな。

 でも、こっちは銃だけじゃないんだよ。

 後ろががら空きだし、どうせ「弓と魔法で援護だ!」とか言ってるんだろう。

 甘いなあ。そういうの、こっちも持ってるから。しかも、質も精度もだいぶ上。


 なるほど、コヨミが「ビリジアンテは戦いやすい」って言った理由がわかる気がする。

 人数だけはやたら多い。でも、それで押し切る戦い方なんだ。

 ……ああ、昔の会社の新規事業部を思い出すな。

 偉い人の思いつきで作られ、人数はかき集められてるのに、ノウハウなし、方向性なし。

 結局収益化することなく撤退。責任は現場の責任者に。

 あのときも地獄だった。


 今回のミッションは、できるだけ少ない被害で、素早く終わらせること。

 こっちもそうだが、敵方にとってもその方がいい。

 死人が多ければ国同士の憎しみが増すし、戦後処理も厄介になる。


 砦の司令官が不安げに報告に来る。

「キャルロッテ王、敵は十万以上。我々の十倍です」


 そう、今回の作戦は砦の連中にはまだ明かしていない。

 スパイが紛れ込んでいる可能性があるからだ。

 マルス将軍に頼んで、別動隊の特別チームを組んでもらった。

 こっちの秘密兵器の全貌を敵に流されたらまずい。

 敵が銃だけと思ってくれているうちに決着をつける。

 まあ、こっちの武器が知られたところで、こっちの技術を完全再現するのは無理だろう。

 ブラックボックス処理はきっちりしてあるからな。

 それでも、用心するに越したことはない。


 ――あとは交渉事。

 これはぼくの仕事だ。

 不思議と、この世界に来てから交渉の腕が上がってる気がする。

 たぶん能力十倍って恩恵だろう。

 地味な能力しかもっていないが、十倍になると案外使えるのかもしれない。


 元の世界じゃ、ただのサラリーマンだった。特に出世コースでもない、ごく普通の。

 でも、朝は早く起きて満員電車に揺られ、夜は終電まで資料作り。

 弱っちい一般人だけど、仕事となると意地で踏ん張れた。

 家族を守るためってのもあるけど、何より「自分の居場所」を守りたかったんだ。


 昔の会社は総合職で、営業も人事も総務も企画も全部やらされた。

 そのせいで落ちこぼれ気味だったけど……結果的にそれが、今の異世界でめっちゃ役立ってるのかもしれない。

 気づけばスーパーサラリーマン(異世界版)になっていた。

 国を回すのに必要なスキル、だいたい前職で身につけてたってわけだ。


 ……やっぱり人生、何が役に立つかわからんもんだな。

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