表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王様とおっさん~異世界はキャットGPTとともに~  作者: PYON
第五章 ガルバン帝国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/124

ガルバン帝国 ベリアード大帝10

 砦を落とせ──私は躊躇なく軍配を振った。

 砦の壁は簡単に崩れた。

 相手が守りを固める前に制圧だ。

 緒戦の勝利は戦全体の士気を左右する。

 前方の部隊は勢いよく進撃し、砦内には千を超える敵兵が押し込まれている。

 抵抗というよりも、どうやら彼らは撤退の道を探しているようにも見える。

 敗色を悟っての腹づもりなのか、あるいは本当に諦めているのか。

 いずれにせよ私の攻勢は緩めない。

 あのキャルロッテめが私の前で命乞いをする──その光景を思うだけで、胸の奥に冷たい悦びが広がる。


 ところが、戦局は予想外の形で変わった。

 破られた石壁の裂け目に、突然、壁と同色をした巨大な塊がせり出してきたのだ。

 箱状の外観を二つ積み上げたような、

 それは縦横およそ五メートルに及ぶ物体。

 上部からは二門の砲身が伸び、まるで獅子の頭部のようにこちらを睨み付けている。

 これが噂に聞く「戦車」か──視認と同時に五輌が姿を現し、崩れた壁の前で整然と隊列を組んだ。


 戦車が列をなして壁を塞ぐと、その周囲で起きることは凄まじかった。

 突入した歩兵が踏みつぶされ、上部のハッチから現れた兵が投擲する何かが炸裂しては、押し寄せる者たちを次々と吹き飛ばす。

 戦場における力学が一瞬で逆転した。

 目の前で兵が四散し、戦列が乱れるのを見て、私は慎重を期すべきだと判断した。

 軍配を裏に返し、足を止めよと命じる。無闇に突入して数の利に呑まれるわけにはいかない。


 だが敵の作戦は明快だった。

 砦内にガルバン軍を引き込み、分断する──それによって数の優位を覆す。

 砦の中にいるのは速攻をかけた一番槍の兵たちだ。

 彼らは容易には屈しないだろう。

 もし彼らが砦を固持すれば、我々の作戦は続く。

 相手の狙いは、あくまで我々の隙をつくことにあると見た。


 ならば、戦車を排除する──それが最優先だ。私は弩級・投石機・大砲に対戦車射撃を命じる。

 しかし、戦車は動き出すや否や砲をこちらに向け、精確に撃ち返してくる。

 投石機や大砲は次々と破壊され、火花と破片が舞い散る。

 彼らの砲撃精度は尋常ではない。

 こちらの兵器は、火薬量や砲?の詰め方、角度、砲弾の重量にばらつきがあり、機械的に安定した命中率は望めない。

 それに対して、彼らは発射の条件を一定に保ち、砲身自体が可動することで着弾点を修正しているらしい。

 結果として、我が方の砲陣は次々と無効化されていった。


 戦場は容赦なく変貌する。

 計画は瞬時に書き換えられ、こちらは被動に追い立てられる。

 だが、ここで慌てふためいてはならぬ。

 力で徹底的に叩く、それが我が帝国のやり方である。

 戦車という未知の脅威を前に、我らはただ手をこまねいているわけにはいかない。

 新しい対策を講じ、兵器と兵の働き方を即座に適応させる──これが今この場で求められているのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ