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王様とおっさん~異世界はキャットGPTとともに~  作者: PYON
第五章 ガルバン帝国

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比留間明夫42

 ついにガルバン帝国の侵攻が始まった――らしい。

 いや、「始まった」って断言できないのは、ぼくが現場にいないからだ。

 情報源はいつもの通り、キャットGPTさん(=コヨミ)。

 つまり、猫のほうがニュースが早い国。

 それが今のニャール王国である。王が猫頼み。うん、平和な証拠……ではないか。


 どうやら今回は本気らしい。

 海からの奇襲とかじゃなく、正面突破の総攻撃。

 要するに「力こそ正義」路線だ。うーん、知性より筋肉タイプ。

 確かに、キャットGPTさん相手に頭脳戦で挑むのは無理がある。

 やつらはこれまでの戦い方を分析している。

 だから連中は「力で押せば勝てる」という結論に至ったみたいだ。

 うん、力で押されてたら一番困るんですけど。

 ぼくたちの弱点は長期戦と人海戦術だ。


 今まで使ってきた戦車ってそんなに万能でもない。

 弾は無限じゃないし、燃料も有限。

 あれで「ドーン」と撃てば終わり、みたいなゲーム感覚は通用しない。

 あれは相手を驚かすっていうのが中心。

 そういう戦い方しかできないんだ。


 それから新しい問題は魔族。

 どうも帝国が上手く言い繕って、北の大陸に住む魔族たちを仲間にしたらしい。

 これがまた、化け物ぞろい。エルフにドワーフにオーガに悪魔。ファンタジー界のオールスターだ。

 しかも、こっちとは比べものにならない身体能力と魔力を持っているらしい。

 人間じゃ勝てない?

 現に以前帝国が魔族の島に戦を挑んで負けたみたいだ。

 こっちは兵力10分の1。しかも猫のAIが主戦力。常識的に考えたら詰んでる。

 でもまあ、常識で生きてたら異世界で王様なんかやってないわけで。


 これまでの戦いは、正直"ハッタリ"でなんとかなってきた。

 「新兵器だぞー!」と見せかけて、実際よりこっちの力を大きく見せる。

 あれ、だいたい心理戦。

 ポーカーでノーペアで勝負するみたいなもの。

 けど今回は相手が本気。たぶん、そういうのは通用しない。


 それで、今回の鍵は"魔族"。

 彼らをうまく撤退させれば、帝国も引くはず。

 でも、その方法が浮かばない。

 でもキャットGPTさんいる。


 AIって、魔法と似てる。

 使い手次第で、神にも悪魔にもなる。

 今回、相手は魔法を使ってくる。

 でも、ぼくは魔法の知識ゼロ。呪文? 知らん。魔法陣? 無理。

 本を読んでみたけど、ぼくには使えないみたいだ。

 元の世界での能力は10倍になるけど、元々持っていない力は使えないのだろう。

 

 だから今の作戦は――そう、ほとんど賭けだ。

 キャットGPTさんの学習能力にすべてをかける。

 もしコヨミが魔族の魔法体系を解析できれば勝ち筋ができる。

 できなければ、この戦争に負ける。


 ぼくはそんな運命を悟りつつ、そっと腕の中のコヨミを見た。

 「頼んだぞ」と言うと、コヨミは尻尾をゆるく揺らして、

 「ニャー」

 大丈夫ってことだよな。

 その一声でなんか安心してるぼくがいるのだった。

 

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