74話 魔王の連れ、すなわち死
数時間後、私は学校の外に出ていた。何となくの勘だが再び奴が来る予感がするのだ。だが先生は呼んでいない。これには特別な理由があるのだ。
「……」
風の音が聞こえる中、草をかき分ける音が聞こえた。
「来たのね」
私が何故学校の外に居たか、それはエラストを待っていたのだった。
「ああ、だがどうして魔王一人で居るんだ?先生を連れてこなかったのか?」
「連れてこなかった理由か、パッとしない理由しか思いつかないが一つだけ言えることがあるんだ」
そう言って私は魔力濃度を高め、槍を握った。
「私個人の問題、私自身の血の運命ってところだな」
そう言うと風の音がピタリと止まった。
「そうか。では行くぞ!」
エラストは剣を両手に持って突撃してきた。
「一芸じゃ私を倒せないぞ!」
「そうだな」
その時私の後ろの地面が盛り上がり、私の退路を潰したのだった。
(なるほど、私の武器は槍で奴の武器は両手剣。槍相手に距離を潰せば攻略は簡単というわけね)
私は槍に氷の棘を出す魔法を溜めた。そして槍の先を地面に突き立てると私の前に氷の槍が地面から生えた。
「おっと、その槍を通して氷を出せるのか」
エラストは氷の棘をバックステップでかわしていた。
(恐らくエラストはさっきの攻撃よりも実力がレベルアップしている。長期戦は危険か)
その時、大きな足音と共に金具が擦れる音が聞こえてきた。
「この音は一体……」
「邪魔が入ったか」
エラストは逃げようとしていたがそれよりも先に影が地面を抉った。
「魔王様の娘に手を出すな……」
私とエラストの戦いに水を差したのはゼブラーだった。
「ゼブラー!」
「戦ってた奴逃げちまったよ?追わないのか?」
「ああ、ゼブラーが水を差してくれたおかげでな……!」
「おっと、俺様何かやっちゃったのか?謝らないぞ」
こうして私とエラストとの戦いはゼブラーの邪魔が入って終わったのだ。するとなぜか司書さんがやってきた。
「おやおや、どうしてここにステラが?」
「エラストと戦おうとしてたらゼブラーが邪魔をしてきた」
「あっ!?俺様の威厳が!」
「サイン……お願いします」
司書さんはゼブラーにサインをお願いしていた、するとゼブラーは紙に簡単に名前を書いて司書さんに渡した。
「ありがとう!そう言えばステラ、前に預かっていた焚書の本の紙切れの解析が終わった。あの本は調べた限りでは全く文献のない本だった。だけどこれから召喚される生き物、それは私たちの動きを凌駕するほどの性能を出していた」
「つまりこれは私たちが想像するほどに強いんですか?」
「そう言えるな」
「へぇ……俺様と戦わせろよ!」
「……いいだろう。ステラ、やってみなさい」
こうしてゼブラーVS焚書の生物というドリームマッチが始まろうとしていたのだった。どうしてこうなった。
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