73話 作戦会議
実習を終えた私は何故か先生に止められた。
「ステラ、少し顔を出してほしい会議に出てほしいんだ」
「会議……職員会議ですか?」
「職員会議ではないな。とにかく顔を出してくれ」
「いいですけどしょうもなかったら帰りますからね」
私は先生の後をついて行き、連れてこられた場所は校長室の横の部屋だった。
「少し遅れました~」
「30秒の遅刻だ。まぁもっと時間にルーズの人がいるんだけど……ね」
エリカ先生がそう言ってとある席に指を刺した。そこの名札には司書さんの名前が書いてあった。
(司書さんの名前ってトラストだったのか、知らなかったなぁ)
会議開始時刻から4分後、やっと司書さんがやってきた。
「ふぅ、間に合った~」
「五分遅刻です」
「四捨五入したら0分じゃん。良かったぁ~それじゃ会議を始めようか」
こうして 5分遅れの会議が始まったのだがその命題は私が関わったことだった。
「まず、今日の朝の授業の時に特別選抜学科所属、そして現在行方不明のエラストが襲撃をかけてきた。一時は拘束したが転移の羽で逃げられた。それでだがエラストをどうにかしてその場に拘束し、転移の羽を使わせないようにしないといけない」
「つまりエラストをそのまま拘束し続けないといけないって事ね?」
「そうだ。まとめてくれて助かる」
するとサキュバスの先生が声を上げた。
「そのエラストって言うの、男よね?」
「男だがそれが何か議論に関係が?」
「私はサキュバスよ?もしかしてエラストにはチャームがかけられていたのかなって思うんだよねぇ」
(確かにエラストは私たちの事を忘れていた。記憶が思い出せなくなっているのかと思ったが操られてるだけか?)
するとそれを先生が否定した。
「エラストは私が一目見ただけでわかった、エラストはチャームをかけられていないと断言できる」
「へぇ……そうなの?」
「ああ、その代わりチャームとは違う催眠魔法をかけられている。それは対象者を自身の思考に書き換えられる魔法。それにかかっていると思ってる」
「その可能性も否定できないけど……納得するしかないわね」
そして会議は平行線のまま踊っていった。この状況を打破すべく私はキーとなりそうな情報を出した。
「エラストは私たちを悪と言っていた。もしかしたら自我を持っていて私たちを憎悪の目で見ているのかって思った」
「確かに言っていた。世の中を正し悪を排除するんだってね」
「世の中を正し悪を排除するんだ……か、一体どこぞの野郎が言ったんだ?」
「さぁね、でもこのまま話を続けてても進まなさそうだから解散でもいいけど?」
流石に情報が少なすぎたのか会議が進まなくなっていった。
「情報が少なすぎる。解散でもいいかもしれない。私は転移の羽の発動を防げる魔法を作る。他のみんなも何か行動を起こしてくれ」
そう先生が言うと司書さんが頷いた。
「私もベルンと同意見なの~」
「そうだな。各自解散でいいぞ。そして次の会議では情報を持ってきておいてくれ」
こうして会議は踊りながら終わり、私と先生は部屋を出た。
「結局は平行線か」
「そうですね……何も新しい情報が無かったですね」
「ああ、しかし奴の攻撃はもうすぐだと思っている。そのために私は転移の羽の発動を封じる魔法を作る。ステラは誘拐されないように気を付けてね」
「分かりました、それでは寮に戻りますね」
こうして私と先生は一旦別れ、私は寮に入っていった。
(エラスト……一体どうして私たちの敵に?)
私は宿題をやりながら頭の片隅でこんなことを思っていたのだった。
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