69話 新校長
ラゴニアは空中でぴたりと停止できるように何度も練習を重ねていった、すると後ろから司書さんが日傘をさしながらやってきた。
「あれ、これはもしかして補修中だった~?」
「いえ、自主練をたまたま見かけただけです」
「暇なら少しだけ非公開図書館に顔を出してくれない?話したいことがあるから」
「別にいいですよ、それで話の内容は何ですか?」
司書さんは優しく先生の唇に指を置いた。
「ここでは言えない事なのよ」
そう言って司書さんは非公開図書館に戻っていったのだった。
「と言う事だから私はちょっと行ってくるよ」
「私はラゴニアが飽きるまでここに居るからね、話が終わったらまた来てよ」
「ああ、分かった」
先生は走って非公開図書館に向かったのだった。
「おっ、徐々に止まるようになってきたぞ」
(ラゴニアは本当に成長する速度が私たちよりとびぬけてる、もしかして前の校長はこの事を考慮してラゴニアを特別選抜学科に選ばれたのか……?)
「どうだー?このメリハリがついたターンは!ワッハー!」
「凄いなぁ~その直角ターンは」
ラゴニアは一気に角度を変えるテクニックのコツを掴み、私に見せてきたのだった。
「凄い風を切ってくぜー!!」
「なんだかラゴニアワイルドになってない!?」
「だろぉ?」
ラゴニアの性格が少しだけ変わったような気がするのは……気のせいだろうか?
その頃先生は非公開図書館に居たのだった。
「おーい、来たぞ」
先生が声を出すと司書さんがカウンターから顔を出した。
「来たんだ、ちょっとこっちに来てよ」
「はい……一体何の呼び出しですか?」
すると司書さんが一枚の紙を出した。
「これは一体何なんですか?」
「いいからよく見てみて?」
先生は紙に書かれている内容を見た、するとそこには異動と言う文字があった。
「私が校長になってベルンが校長補佐兼特別選抜学科担任って言うポジションについてもらうことにしたんだ」
「兼任って事ですよね……それに今まで校長補佐っていうのが無かったはず」
「本当は特別選抜学科を廃止しようと思ってたんだ、だけどあまりにも優秀すぎる学生が居たから残したんだ。今後はこの枠での募集は年々変わっていくと思うな」
「そうですか……ありがとうございます」
「それで校長補佐っていうポジションに着く、異論は無いね?」
「……はい!」
先生は少しだけ涙を浮かべながら心地よい声で承諾したのだった。こうして新たな学校の新体制が明らかになっていく中、とある人物の捜索が困難になっていたのだった。その人物はエラスト、誘拐されて数十日、まだ音沙汰が無い今どこで何をしているのか、私たちには分からないのだ。
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