61話 送り人
私たちは魔族を信仰する奴らの施設に乗り込み、中に入っていった。先生はエンデを見張るために地上待機だ。
「中は思ったより静かだね」
「そうだね、アラームが鳴ってること以外は……」
すると魔族を信仰する奴らがわらわらと現れた。
「さてと、奴らが現れたようだね」
「そうですね~私は後ろでサポートしますね~」
司書さんは後ろでサポートをしてくれるようだ。
「なら私とステラだけで戦うしかないか」
「そう言う事になるね」
私は魔力濃度を高め、槍を出していった。
「主様!!!どうしてそんなにお怒りですか!?」
「私はステラの母親で魔王だ、前までは人様に迷惑をかけなかった。前はいい集団だった。だが今は腐っている、私はこの腐った組織を破壊する」
母親の声からは怒気と失望が感じられ、母親も私と同じ槍を出した。
「この元凶は私だ、だから私がケツを拭くって言う物だ」
母親はいきなり魔族を信仰する人の体を複数体、槍で貫いた。
「カッ!!!」
(凄い、一気に複数を槍で貫いた。私は出来なさそうな芸当を……私も戦わないと)
後ろからは司書さんが攻撃力増加や筋力増加のバフ魔法をかけてくれているおかげで力がみなぎってきていた。そして私は槍をぶん回しながら敵を上半身と下半身に分けていったのだった。
「やるじゃないか、ステラもいい人に槍の扱い方教わってるのね」
「そう?これ以上槍を使い続けてたらもしかしたら魔王越えしちゃうのかも?」
「それだけは阻止しないとね」
そんな軽い会話をしながら弱い敵をやっつけていくと明らかに重そうな扉が現れた。
「ここに居た人たち弱かったね」
「ああ、昔より弱体化したものだ。行くぞ」
私たちは重い扉を開けた、するとそこに広がっていた光景、それは培養カプセルが置かれておりたくさんの人が倒れていた。
「カプセルがまたある……!」
「そうだな、中は……!」
母親はカプセルの中に入っている人を見ると声が詰まった。
「ねぇどうしたの?」
「……ゼブラー」
「何なの?そのゼブラーってのは?」
「ステラ、今魔王さんが言ったのってゼブラーだよね?」
「そうだけど……何か知ってるの?」
「ゼブラー、それは魔王と同格の実力を持った四天王の一人……悪の7柱と言われる連中より上位の存在……まさか復活させようと!?」
母親は静かにカプセルの前に歩いて行くとゼブラーの体を舐めるように見るのだった。
「……なるほど、魂を凝縮してゼブラーを再現しようとしているのか、だけどこれはゼブラーじゃない」
「魔王様!?」
「お前ら、私たちを復活させようとして何をしようとしてるんだ?」
「それは……魔王様が作る世界に」
「黙れ」
母親は野望を語っていた男の顔に向かって槍を突き刺した。
「世界は変わっているんだ、そして私の価値観も変わっている。この人たちに魂を戻して失せろ」
「できません!!一度凝縮した魂は分離できません!!!」
「なら死んどけ」
母親は無慈悲に奴の首を刎ねたのだった。そして私と司書さんが合流すると母親は槍でカプセルを叩き割った。
「こいつは私が保護をする、どうせ記憶は昔の時のままだろう……」
母親の目には悲しさと共に再び会えた戦友の感情が泥水のように混ざりあっていた。一度死んで数年が経っての邂逅なのだ。
(この人は母親と一緒に戦ってきたんだな、悪者だろうけど母親からしてみれば仲間……か)
「この人たちはどうするの?」
私は魂が抜け、死んだ街の人たちを指さした。
「さすがにこのままにするのもな……しのびないか」
母親は遺体を持ち、運び出した。
「せめて街に戻してから弔ってやろうか。運んで行って」
「分かった、しかしこの惨状は酷いな」
(老人や子供がいる、容赦がない奴らだな)
私たちは遺体を運び出し、地上に出てきた。
「戻って来たか……ってなんじゃこりゃあ!?!?」
「魔王の四天王と遺体を運び出すぞー手伝えー」
「遺体!?もしかして街の人たちは!?」
「ああ、少しだけ遅かった。もう少しだけ早ければ助かったはずだ」
「そうか……気が付くのが早ければ……クソッ」
先生は悔しがっていた、人を助けられなかった悔しみで地団太を踏み、馬車を叩いた。
「だからこの人たちを街まで運んで広場で弔う。手伝ってくれ」
「分かった、今は私たちは送り人だ。派手に弔おう」
こうして私たちは馬車に街の人たちの遺体を運び、全員詰め込んだら街に向かいだした。
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