45話 人騒がせ魔王
寮に帰るとなんだか廊下が騒がしくなったのだった。
(壁を貫通して聞こえてくる騒音って一体何なのよ……迷惑だなぁ)
私は少しだけ怒り魔力濃度を高めて槍を出した。
「ご主人、何をしに行くの?」
「ちょっと黙らせに行く」
サバニャが私を見て止めてくれたが私はズカズカと音の鳴る方に歩いて行った。そして音の原因が判明したのだった。
「あら、ステラ」
「どうしてここに居るんだよ」
そう、目の前に居るはずのないマオが居たのだった。
「どうしてって、お父さんに会って来ただけでついでにここに来ただけなの」
私はまだ母親を許すことは出来ていなかった。
「どうして母親ぶってるんだよ、ここまで育つまで私を見に来たことはあるの?私が風邪になった時見舞いに来てくれたのか?」
私はただ母親に憎悪をぶつけていた、だが母親はそれを聞き流していた。
「どうしてどうして!!!」
私は槍を持って母親に突撃していった。
「おっと、これは落ち着かせないとね~」
母親は何も持たずに私に向かって走ってきた。そして間合いに入ったと同時に母親は霧になり、私のそばに現れた。
「えっ」
私の体は母親の体にぶつかり、そして腕が私を包んだのだった。
「ごめんね、私が仕事に集中してたから見てられなかった」
ぎゅっとする母親の服を濡らしていた私はいつの間にか私も母親に抱き着いていたのだった。
「ごめんね……」
無意識に魔力濃度が下がっていき、私も声を出してた。
「ごめんなさぁいい」
その時は過去一泣いたと思う。そして先生がやってくると私と魔王が抱擁しあっている光景に絶叫していた。
「ウゲェエエ!?!?」
私はゆっくりと先生の元に向かい、腕を引っ張って起こした。
「大丈夫、仲直りしたから」
「はぁ……しかし魔王と生徒が血縁関係なんて……フラフラしちゃう」
「先生大丈夫!?」
「ステラ、その先生はショックで倒れそうになってる、だからどこかに寝かせておかないといけないよ」
「……ちょっと見てて!」
私はエリカ先生を呼びに行って先生を寮に持って帰ってもらうのだった。
「ほーら、ベルンはここで寝ちゃだめよ~」
「うーむ……」
そして再び廊下に私と母親だけになり、気まずい空間になった。
「私は行ったん近くで寝泊まりするね……明日また」
そう言って母親は外に出ていったのだった。
(しかし母親の抱擁ってあんなに温かいのか……)
私も自室に向かい、寝る準備をし始めたのだった。
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