41話 イチャイチャ
海の上を飛んで数時間、私たちは船酔いという問題に悩まされていた。
「何か気持ち悪い~」
「ステラ……私もだ」
先生も船酔いに苦しめられていた。だがスイさんは全く酔っていなかった。
「どうしてそんな船酔いに苦しむんだ?吐くんだったら船の外にしてくれよ」
「もう……がまんできん」
私は思いっきり船の外に出した。
「とりあえずすっきりしたぁ」
「私も我慢できない」
続いて先生も出した。
「そういえばまだつかないの?」
「あともう少しで着くはず。ちょっと待ってて」
そして数十分後、私は目の前に広がる島を見つけた。
「あれが魔王がいる島なのかな……?」
「そうだよ、なら魔王が居そうな場所に突撃するか」
「えっ、ちょっと待って!?」
スイさんは明らかに権力者が住んでいるような城に船をベタ付けしたのだった。
「よしっ、この窓から入って」
「いやいやいやいや!?!?船墜とされたらどうするの!?」
「大丈夫、ここに住んでる奴は荒くれじゃないから安心して」
(本当に大丈夫なのかな……?)
私と先生とスイさんは一緒に魔王の良そうな場所に向かい、他のみんなは下の城下町で各々遊びに行ったのだった。
「魔王ってどんなイメージだった?」
「なんだか怖くて残忍なイメージ」
「ステラと同じく」
「普通はそう言うよね~でも会ってみたらその考えがチリになるよ」
スイさんは魔王が居そうな場所を覗いたり部屋を見たりしていた、だがどこにも見当たらなかった。
「まさかな、ちょっと確かめてみる」
スイさんは大きめの扉を蹴破った、するとそこには羽を大きくしている女の子と非公開図書館に居たあの魔王がいた。
「……二人でイチャイチャしてるんじゃねー!!!」
スイさんは顔を赤らめ、奥の二人は違う違うというジェスチャーをしていた。
(えっ、あの人が魔王……?嘘やろ……?)
私は思っている魔王の造形が一気に吹き飛んだ。
「ステラとベルンだっけ?この人が魔王のマオ、あとおまけで吸血鬼のマリー」
「おまけって何なのよ!?」
魔王のマオさんは私の名前を聞くや否や冷や汗がどっと出ているようだった。
「儂はちょっと催した……ちょっとこの場所から去るよ」
スイさんはゆっくりとマオさんが部屋から出ていくのを止めた。
「どうして気まずそうに逃げるのかなぁああ!?!?」
スイさんはマオさんの首根っこを掴んで動きを止めた。
(すごい、スイさんマオさんの扱いに慣れてる……)
するとマリーさんが質問してきた。
「ちょっと待って、あなたたち何処から入ってきたの?」
「窓から」
「同じく」
「……ねぇスイ、何度も窓から入ってくるなって言ってるよね?一応この城は私の城なんだ。過去に数回船をぶつけて外壁を崩してるじゃないのよ」
「だって船を泊める場所なんてないじゃないのよ、だからちょうどいい窓があるからそこに止めてるだけ」
「全く、それはいいとしてマオとそこの子、何か似てるんだよなぁ……シンパシーっていう奴?」
マリーさんは私を指さし、背中を押してきて横に並べた。
「うーん、同じと言われたら同じだね、だけどステラだよね?マオはその名前に聞き覚え無いの?」
マオさんは逃げようとしていたがスイさんの首根っこ掴みとマリーさんが体を抑えてるため逃げれなかった。そして観念したのか話そうとした。
「ちょっとややこしくなるから私とステラ一人にしてほしい。いいでしょ?」
「いいがステラに危害を加えたら容赦はしない」
「へぇ~威勢はいいのね」
こうして私はマオさんに連れられて寝室に連れていかれたのだった。ここから何を話すのか分からなかった。
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