28話 大きすぎる冠
掃除が終わり中庭に向かうとそこにはあの貴族がいた。
(あいつだ、何をしてるんだろう)
私は貴族の行動を遠くから眺めていた、すると貴族は本を取り出して周りをお花畑にした。
(どうしてだろう、あいつなんだか寂しそうだ)
私はこっそり近づき驚かした。
「わぁ」
「ギャアアァ!」
貴族は事件性のある叫び声を上げて驚いていた。
「そんな驚くことかなぁ?」
「急に音もなしに来るなんてどういう事よ!?」
私は花に目をやり、こういった。
「その花って何なの?」
「こ……これ?カーネーションっていう花だけど……それがどうしたの?」
「私ね、その花を見た事が無いんだ。だから花を咲かせる魔法に興味を持ってね」
私は貴族の隣に座った。
「へぇ、見た事が無いんだ」
「村に住んでたからね、こういった花は生えてなかったんだ」
「そうなんだ、私はこういった花は花壇に植えてあるから珍しい物じゃあない、だけどこうして見てると元はこんな風に生えてたのかなって」
貴族はなんだか故郷を思い出している様子だった。
「あなたって故郷が好きなの?」
「いや嫌いだね。いつも私は貴族の娘だからって甘やかされて育って……ここでは人と対等に話せると思ったら他の人は私を貴族だと言って持ち上げる、それが嫌なんだよね」
「だから一人でここに居たのね」
「ああ、人と対等に話せるのって難しいんだなって」
(もしかしてこいつって人と対等に話せてなかったからこんなに落ち込んでたのかな)
「でも今は私と対等に話せてるじゃん」
「そうだね、ありがと」
こうして私は貴族と対等に話をすることが出来たのだった。そして私が寮に帰るときに貴族は手を振ってくれたのだった。
(でもこれで距離は縮まったのかな)
そんな事を思いながら私は寮に帰っていったのだった。
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