16話 空席
翌日、教室に入り先生を待っていた、当然だがエラストの席は空席だった。
「皆、いつも通り授業をしていくぞ」
この重苦しい空気で授業をするのが耐えられなく思ったのかラゴニアは先生に抗議した。
「私はエラストが帰って来るまで授業させねーぞ」
「クラスメイトが誘拐され、のうのうと授業をしてるんじゃあねぇぞってところか?」
先生はラゴニアに圧を飛ばしていたがその圧力がラゴニアの喧嘩スイッチがONになった。
「だとぉ?どうしたらそんな思考になるんだ?」
「ラゴニア席に座れ、怪我はさせたくないんだ」
先生は魔法をすぐに撃ちだせるようにしていた、そしてラゴニアは自慢の爪で先生を斬りつけようとしていた。
「やっぱり龍人族は喧嘩っ早い、だから過去の戦争で人間に負けるんだ!」
先生はラゴニアの腕を掴み、そしてラゴニアの席にぶん投げた。
「ギャァァァアア!!!」
「授業を始める」
こうして授業が始まっていったが全く授業が身に入らなかった。
(どうしてそのまま授業を進めるんだろう)
授業が終わると先生はラゴニアを呼び出した。
「ラゴニア、この後職員室に」
「はーい」
ラゴニアはなんだかバツが悪そうな声で先生に連れていかれた。
(もしかして先生に歯向かったから呼び出しを喰らったのかな)
私は自室に向かっていくとどこかの部屋に入っていくのを見かけた。
(……?)
私は気になり、こっそりと聞き耳を立てた。
「どうしてここに連れてきたと思う?」
「先生に襲い掛かったことですか?あれは当然でしょ」
「ああ、当然だろう。クラスメイトが誘拐されている時に何してんだと思いたくなるだろう。そしてお前はあの時何処に居たんだ?」
「空だ、野良のドラゴンと戦っていた」
「それは知っている、そしてだが街から出ていく馬車は見たか?」
「3台出ていったが3台とも商人の馬車だった、それがどうした?」
「そうか、なら馬車の荷台には何が乗っていた。
「1台は食べ物、1台は奴隷、残りの1台は木箱を」
「そうか、分かった。帰っていいぞ」
「分かりました」
私は急いで透明魔法を使い、姿を見えなくした。
「誰かいた気がするんだよな……」
ラゴニアはそう言って寮に向かって歩いて行った、すると先生は私の後ろに立っていた。
(あれ、どうして先生は立ち止まってるんだ?)
「ばれてるぞステラ」
私は声を出さなかったがどうやら先生は私が見えているようだった。
「透明化を解いたらどうなんだ?」
「ばれてましたか」
「ああ、魔力が少し漏れていた」
そして私は先生に連れられて部屋に入れられた。
「さっきまでの話を聞いていたのなら分かるだろうがラゴニアはああいう性格だ、どうにかして協力させないといけない」
「それでどうするんですか?」
「ラゴニアを抑えておいてほしいんだ」
「抑える……ですか」
「ああ、ラゴニアはああ見えて孤独に感じているのかもしれない。それかただ単に威張りたい奴か」
そして先生は私を寮に帰らせ、職員室に帰っていった。
(先生にも手に負えないラゴニアを抑えろって私にできるのか?)
こうして私は先生にも手に負えないラゴニアを抑えることにしたのだった。
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