143話 年末に連れて上がるビート
朝になったと同時に広いグラウンドに学生たちが広がった。
「エリカ先生、なんだかグラウンド賑やかですね」
「ええ、年末だからテンションが上がってるんだろうね」
「まぁね……私も少しながらテンションが上がってる」
エリカ先生は槍を袋にしまった。
「私の本当の武器は薙刀、どうして槍を練習してたと思う?」
「どうしてでしょうか?」
「ステラの武器って槍だよね」
「ええ、そうですが……」
「薙刀も突き刺すことがあるんだけどその練習として槍で練習してるの。でもこうして体験してみると槍と薙刀ってほとんど同じ物なんだなって」
「へぇ……同じ物なんですね」
私とエリカ先生は学校の上からグラウンドの様子を見ていた。すると上から何者かが降りてきた。
「リーダー、ここで何をしてるんですか?」
「シトリア……どこから来たんだ?」
「頭上からですよ」
頭上には小さな鯨が宙に浮いていた。
「って言うかアラーム凄くなってるけど?」
侵入者が学校の中に居る影響でアラームが鳴り響いていた。
「そうですね……一旦空に来てください」
「空……?」
シトリアは私の手を掴み、宙に浮いている鯨に飛び乗った。
「ちょっと落ちる!?」
「大人しくしてください、落ちますよ」
「ステラ!大丈夫か!」
「後で返しに来るので待っててください」
そうシトリアは言うと徐々に高度を上げていき、アラームが鳴らない程度の場所まで浮いて行った。
「リーダー、会いたかったですよ」
「どうして私に会いに来たんだ?」
「私、学校の外にキャンプを構えてるんですけど……昨日アインツベルンと言う人が寒がっている私たちに毛布をプレゼントしてくれたんですよ」
「先生が……?」
(先生の性格上、学生じゃないシトリアに温情をかける必要はないはずだ……なのにどうして先生は温情を与えたんだ?)
「ええ、そのお礼としてきたのですが……私は侵入者のようなのでリーダーが伝えておいてほしいです」
「分かったが……早く降ろしてくれないか?さすがに手が攣る」
「申し訳ありませんリーダー」
私はゆっくりと屋上に降りていき、地面に足がついた時にはアラームが学校全体に鳴り響いていた。
「それでは私はこれでキャンプに戻りますね」
「ああ、伝えたいことはそれだけだな」
「ええ、それでは」
シトリアは鯨にまたがり、キャンプに戻っていったのだった。それと同時に先生が屋上にやってきた。
「ステラ!あとエリカ!無事か!?」
「あらベルン~大丈夫だよ~」
エリカ先生は先生の警戒を抑えようとしていた、私はシトリアに頼まれたことを言った。
「先生、昨日学生以外の人に温情を与えたって聞きましたよ」
「……それをどこで聞いたんだ?」
「今聞きました。それでその人がありがとうと伝えておいてって」
先生は少し考えこみ、物事を理解した。
「なるほど、つまり昨日私が助けた人が捕まる事覚悟で来たのね」
「そう」
「やるじゃんか、あいつ」
そして先生はエリカ先生と話をし始め、仕事の話ではなくプライベートの話をしていた。そこに私は巻き込まれてしまうのだった。
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