105話 人間じゃない
その夜、私は甲板で空を見ていると先生がやってきた。
「先生どうかしたんですか?」
「外の景色を見たいだけなんだ、包み込んでくれないか?」
そして私と先生は並んで星を見た。
「ステラってさ、星って好きなのか?」
「好きですね、こことは違う世界が広がってるのかなって想像が搔き立てられるんですよ」
「そうか、向こうはあまりいい場所じゃないぞ」
「そうなんですね……今なんて言いました?」
先生は確かに知らない星から来たような口ぶりだった。
「いや、何でもない。だけどあこがれるのはやめた方がいいかもな」
先生は逃げるように中に入ろうとしたが私は言葉を続けた。
「先生って一体何者なんですか?スイさんが先生の事を人間じゃないと言ってますし……一体何者なんですか?」
「……人間じゃないか。そんなことと言われたのは初めてだな。どこが人間じゃないんだ?」
「さっきの発言、明らか星から来たような口ぶりだった。それが証拠だ」
先生はふっとため息を吐き、真の姿を見せたのだった。
「本当は最期まで隠しておきたかったんだけど仕方ない。これが私の本当の姿。これもリミッターで押さえていた」
先生の腕はリングに通され、所々金色の装飾で飾られている姿だった。
「その姿、初めて見るなぁ」
「これが本当の姿、アインツベルン・インヘルトだ」
「アインツベルン……インヘルト」
「ああ、この姿はある職員以外の全員は知らない」
(ある職員とは一体誰なんだ?)
私は先生が言ったある職員の事を考え出した。
(先生と仲がいいのは司書さんとエリカ先生だよな……一体どっちだ?)
「私の正体を知っている職員の事を考えているだろう?仲がいい職員だ」
「もしかして司書さん?」
「確かにすべてを知っていそうな感じだが違うな。正解はエリカだ」
すると先生は手のひらからとある物を出した。
「これはエリカからもらったパンドラの箱だ。これがあるから力を最大限扱える」
「エリカ先生一体何者なんだよ……」
「普通の人間だ、このあたりの話はこの戦いが終わってからにしよう」
先生はいつものの姿に戻り、船の中に入っていった。
(あの先生の姿の時の魔力がいつものの先生の魔力と違った。つまりあの先生は私の知らない力を持っているのか)
そして私はちらっと星を見て船の中に入っていったのだった。そして明らかに魔族を信仰する奴らとの焚書の切れ端争奪戦の終わりが見えてきたのだった。
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