65、母と子―究極生命体と世界線の侵攻曲―「中夜祭」
逆らったら食われて・・・
その時インシュビ―は思った。究極生命体として誕生したフォダヴィードへ放った”たった一言”が原因で自身が“しつけを受ける”側に替わることを認識するのに早過ぎたと。
彼は再び思った。『その時間は何のために在るのだろう?』と。彼は確かに3年前に“宇宙移民計画”をモノゴトリー協会内で企画した。アムヴァークの地殻変動観測データーがダス・ダ―ネスの崩壊を示したからだ。だから焦るのにフォダヴィードは協力してくれない。
だが、諦めずインシュビ―はフォダヴィードに対し、宇宙移民計画への説得を幾度も試みる。
―あの、なぜオレの協力を拒むのですか?
「協力を拒んでいるのではなく、協力する貴方の認識の方が私を拒むのです」
―じゃ~あ、仮に“ごはんを作るための土”なんてどうして作れるんですか?
「たとえば腸から“糞を絞り出せばごはんに変換できる”でしょうね」
仮に宇宙移民計画が叶わないとしてもライト・オブ・ホールから変容する選択もあった。それに比べ究極生命体を誕生させずまま、魔核鉱石だけを掲げたインシュビ―自身は何だったのだろうかとか、誕生させたが次元干渉にも耐えうるデーターも採取できず、自身がそのデーターを基に宇宙移民計画の素材になるなど感じ取れずに居るのだとか、何も知らず自らを晒す危険性が如何なるものかを、フォダヴィードから教えられていたのだった。
だから言っただろう?
省みず生命融合など計画し、
謝りもせず事を進めてしまえば、
自身の命すら狙われて元も子もないと。
いいか?特別、お前だけには言うからな?
そうなる前に目の前の誰かに”助けてくれ”と頼れッ。
そうだ、その調子だ!
自ら意志を以って叫んでいけッ!
――30時間
―え~っと、宇宙移民計画を果たすための素材としてヤり過ぎていたので二人も産まれた・・・いや・・・もっと?あれ・・・出来ないよ。
「当然ですよ。貴方は直接的な手段を択ばない人。私はともかく今回は彼女の血液での魔核鉱石を作ったのでしょう?それなら能力が粉末鉱石の中から微細生物が現れるのでその造られた生命体に寄生する。寄生した微細生物はおおよそ92%の確率で人体から排出されるように出来ています。それで問題は無いのに親がそれを咎めるとどうなりますか?自らの意志を閉ざし、言語記憶能力を自ら下げる命令を起こすのです、脳が“ブチ”」
―痛ってぇ~!サスサス・・・ヤられた二人の子は光体エネルギーを調整すれば脳が活性化し、更に自然で生活させれば知能回復は出来るので、魔核鉱石のエネルギーを食事へ与えれば薬物依存なんてしなくて済み、再び子を宿す!すると魂の純度が増すのだと!
「変換します。逝った犠牲者は魔核鉱石の“非光体エネルギーにより236名”となりました。その非光体の正体はダーク・オブ・ホールの“闇体エネルギー”だったのです。ね?」
―うぅ・・・そ、そりゃ~自然じゃないよね!?
「不自然です。闇体が人の血液に分解要素として含まれていて、主にワインとして製造されています。ところが成分表には“虹の鉱石0,1g”という表記さえありません。たった0,1gの分量だけで人体の身体機能および記憶・意識・再生能力が69%もの増大を見込まれてしまいました。つまり逝ったのは2名の内1名ではなく236名?もっとかな?」
―合計“1万2,306名”のナンバーネームだよ?28億人に比べたら・・・あ!でも、微細生物って闇体だから土に戻せば“活き”返るよ?その魂で人工生命体になるし、その体液には魔核鉱石を循環する新規エネルギーを作り替え子を産める・・・それなら宇宙移民計画もお母さん一人に任せなくても充分なんだぁ~ズビッー
「変換。アホの問題は鉱石の循環ではなくその調節量よ?“通常は0,03gを含めば十分”で、それ以上だと人体形成するための血液が蒸発し、神経どころか肉体が生成不能。そこに分解要素が付くと?そして犯人“自ら編み出した”ワインに含まれる鉱石目分量は0,1g未満と表記。人体分解の始まりを“自己責任”とすれば詐称と見破られ組織は?“パァ―ン”」
―消滅しっ!――ピチュン――、ブシャアアアアアァ―ッ
「ご名答。各鉱石へ“アホの汚液”を多く混入させたせいです。その汚液が光体を放つためにその遺伝子が各鉱石の純度を更に1,230%強めてしまいました。強めたのに消える。誰も止めないから“闇から招かれた総主だから”と言い続けるうちにアホの自慰集団組織は終わります。そこで“遺族が泣き寝入り”。それを“老化現象”と言いグロリア・ポリスの捜査に移るの?」
―ブジュル、ギュル、ぷわぁ!そうだよぉ、“オレの汚液”が大変なことを起こしたんだよぉ~!だから“オレは究極潔白”です!!
「変換。僅か二人に施した新規実験により1万以上もの人口を消滅させた事態へと発展した!原因はモノゴトリー協会の最重要人物の元・総主インシュビ―による犯行と認定!その罪はナンバーネームと称した人為災害で“万死に値する”ものである!充分な更生期間を与えたにもかかわらず一切の反省点も謝罪の意も見当たらなかった!よって罪状は“破棄”を言い渡す!」
―ワー、ワー罪人を裁けぇぇ~・・・え?破棄ってつまり罪人はテュディス・カウでは?ズビッ、“汚液をドブに流した”のはインシュビ―?違うのでは・・・あ、でもぉ。
「確定・異論なし。勿論ナンバーネームを騙すのも得意な君がその相手から恨みを買うその頃には知能の低下が進み“自ら犯した罪さえ”も忘れてしまいます。つまりアホの子はモノゴトリー協会へ預けられ“自らのアホ親を理解できず”にサンシャイン現象という名の“詐称実験”を受けてしまいます。しかもその“アホ当人は赤子に戻る”のですよ?言語記憶も更に“壊れてアホの道へ進む”のですよぉ~、臣・子・“道”・彦・博・士・君?」
―ヤッたぁ~宇宙移民計画の道は赤子に壊れて“アの道”ィ~・・・の世でオレは、
「そのとおり!“アの世の道”なのですよ?」
―あの世のォ・・・アホはオレ?
――――――いいえ、道なんて幾らでも作れるのよ。よく見ておきなさい――――――
―――魔核鉱石を虹の鉱石へ再変換・・・中継施設1,200基からこの超次元惑星アミューネ・ゼーターに資材を置いたので、遺伝子鉱石エネルギーを1,230%から1万50%へ再設定。アホの汚液を染色体で超光体エネルギーへ変換、これ等をこの極大ヤリ転送装置で再生成・・・超再構築・構成および超高性能量産型人工生命体50万体を超再生非核融合生命体の母体とした格納コアが超極大宇宙船“アノミチコワレナイ”を16時間で1千200機完成させる・・・彼もあと一歩だったのね~~やるじゃない!でもあと、ひと段階・・・では、究極生命体を製造、糞は土へ変換、これを水質としてろ過し細菌分解させるとほら、土が出来た―――ココで量産した素材インシュビ―が役立つ・・・
やや幼児化、潜在的には究極以上、天使未満。知能低下は仕方ないでしょうね―――。
―――究極とは、この事を示すのよ、臣子インシュビ―博士―――。
博士?
あの世だと?
そんな世の何処に平和がある?
お前の目指す平和は破滅だ。
つまらない理想に拘ると、折角の計画が台無しだろう?
もう少し真面目に勝負しろよ。
――55時間
「時にインシュビ―貴方、本気でライズに敵うとでも思っているのですか?」
―敵うよ。
「ではライズが大いなる意志よりも純粋な神の意志を持ち合わせるなら?」
―無理です。
「正解。“カタカタカタカタ・・・タン”はい、では問題です。光の王として貴方は闇の力と遥か以前の世界線のダーク・オブ・ホールのほか、ブラックホールの電磁波を浴びました。次は課題。貴方は実験中にも光体反応どころか暗黒微細胞となる物質変化すら起こしませんでした。貴方はライズの人工生命体の一部には放射性超次元高性能細胞が働くと言いましたか?」
―勿論!そう観測したよ。
オレはヤツの肉体へ超次元エネルギーを求めた。
「はい、ブブ~不正解ねン。ライズは微細な光体によって復元できますね。それを放射性超次元高性能細胞なんかが働いてしまえば人工心臓が爆発的に加速し宇宙間バーストを起こしてしまいます。つまりインシュビ―は宇宙移民を果たす前に魂ごと消滅してしまうでしょう!ところでインシュビ―・・・貴方はジグル大臣?それとも臣子道彦博士なの?」
―そ、そんなの、分かっているよォ!
どっちだって、あッ・・・ブチブチブチブチ・・・
「んん~~ムシャ!ムグッ、ペロッ、クチュ、ん?・・まっずぅ!ペッ!」
―あ!――ベチャッ・・・た、食べ物じゃないよ~、
お、オレはぁ・・・フキフキ
「魂の無い魂で何度、貴方は変容を繰返すというの?困った子ね。私を見なさい。ビードにデイジーの体を組み合わせて142センチよ。デイジーの頃は163センチ、ビードなんか121センチ。酷くない?洋服を新調するの!忘れているけどビードは貴方の子なのよ?」
―は、はぁそうですね―(あの頃のオレは175センチ)
・・・キュッ、キュッ
「ライズがブレトルに戻ると2メートル89センチ。貴方は3メートルと大差がありません。最古の微細生命の再生能力というのはココの成長率よりも75%上なのよ。次代へ変容すればまた能力が変わってしまうと、貴方の産み出した身体記憶能力は記憶意識能力と神経感度をも再構築しなくてはいけないのですよ?それで熱でも出してごらんなさい。知能も12%低下するし話にならないじゃないのよぉ~~・・・ねえぇ~ッインシュビ―君!」
―う!ごもっともです、お母さんの言うとおり!
(折角接合したフォダヴィードが究極ではなく単なる強化生命体)
「そうォ!もっともらしいのね~?」
―そうですよォ~ほんと”オレ”がここまで進化するなんてぇ~
「はいはい、そこのオレ~さあ食事ィ~よいしょっとァ!」
―やッ!?ブチブチゴキボキ・・・お”、ぼぅ、ピンッ!
ブシュウウウゥ――ズッシュゥ―うぎゃあああぁアァ―――
「モゴ、モグ、ボリポキ・・・コレ焼こうかしら?」
”ピシュィジジジィィ―ジュジュジュジジィ―”
―熱、熱いあづぃ~あ”あ“あ”やめでぇぇ~へ?ボッ、ゴオオ――ァ!
「燃えて臭っ!しょうのない人ね~」
―バタバタ、ぱたぱた・・・ふぅ(オレは焼肉?)
「よし貴方の血を煮てあげるわね?この血管を、それ」
―ギゥ!グイッ、ピッ!ブチブチッブシュウウゥ――ドッ、
ブッ、シャアアォ―(青い献血ならっ!)
「ここには非常用の塩、草、糖、鍋にコンロもあるのよ」
―ピッ、ピシュゥウァ――ッ、ジュル、メキ、コキ、
(やっとオレの当番が来たんだね!)
「これで匂いが抜けるといいね」
―グツグツグツ・・・(違った。オ、オレの血がソースに)
「ずっと”声”が聴こえていましたよ?」
―・・・ぁ・・・ブッ!グシャ!!
――――――まったく、そのしぶとさは誰に似たのかしらね―――――――
―――加工したインシュビ―を超次元エネルギーへ変換、次元間にワープさせた。これで食料品には困らないわ。ついでに微小ダーク・オブ・ホールを生成・・・それから量産型インシュビ―には記憶と意識の再変換も行った・・・これで究極生命体が人を襲うこともないでしょう・・・次にジパンで宇宙移民計画が成功した場合のパターン信号をコイツの脳から私の脳で直結計測・・・再構築・構成は縮まるものの、これでここでのインシュビ―は能力低下をきたす・・・いいですねぇ~“プルプル”
―――さすが我が子、私の傑作品―――。
ーーーー
飼われたからポチだと?
お前の作った生物は、いかんせんつまらない道具だ。
融合したからといって、食ってばかりじゃ太るだろう?
じゃあ、痩せろよ。低下するその頭脳をもっと有効活用してみろ。
お前の様なヤツじゃ、永遠に闇に塞ぎ込むだけだーーーってな!
ククク・・・
――51時間
「お待たせぇ~!“スタスタ”」―・・・
「あれ?コレは、貴方の分なのですよ?“スッ”」―・・・
「お母さんの手料理ですよぉぉ~~“トン”」―ピクッ?
「インシュビ―くぅ~ん?“グリ、グチョ、ゴリ”」―ズリ、ズリョ、ブチュ
「ママはぁ~独りでは食べられないのですぅ~“ブスリッ”」―(う“!)
「再生できなくてぇ食べられないのですねぇ~“つんつん”」―ピクンッ
―――計算より早く究極生命体の量産化が早まるわ。だから貴方に、再生速度をナンバーネームの被検体同様に5日後に変換させました。これで貴方も衣服が買えるでしょうね。もちろん総主から外されればの話よ?さぁて超極大宇宙船アノミチコワレナイはもうそろそろ出来る頃でしょうねぇ~?―――
――53時間
「遅っそぉ。ねぇ冷めちゃいましたよ~、ていっ」―ゴシャァァッ!
「コレはねぇ~君の骨で煮たダシなのですよぉ?」―ムチュ、ポココ・・・
「わぁお!再生が速くなりましたねぇ~さっすが」―ムクムク、ボキンッ、ふぅ
「ではどうぞぉ~!ママのお手製インシュビ―定食でぇ~っす!“ズ―ッ、トン”」
―大変申訳御座いません!只今インシュビ―定食は売切れ、当店は閉店致します!
―――食品のレパートリーが増えたのね?知能的に。さすがライズ・ブレトルの息子です。エタノウェー・ポットから彼のデーターをインシュビ―へ転送したからあの人の経験がちゃんと活かされていたのでしょう。では食糧庫の人工生命体の脳へ送信を―――。
――57時間
「お客様、大変お待たせ致しました。只今から、開店致します!さぁ出番よ?」
―え!待っ・・・あ“ぁ”~ゴキボキバキ、ぶッ!ブチブチ、ブッシャアアァッ
「はい!再生時間測りまぁ~す。今からインシュビ―・サンシャイン巻き一丁ゥ」
“ギュイイィ――ン、グルグルグル、モリ、ブチ、グツグツ、グル、モキ・・・”
―は!い、いつの間に・・・?え―、お、オレの下腹部が・・・ない!!
「20分!博士ぇ~皮は巻物の基本ですよ?早く加工して調理しないと鮮度がねぇ」
―フォダヴィードの大将、オレの再生時間で遊んでるんですよね?
「いいえ。勿論遊んでから貴方のデーターを測るのです。研究の為にね―サッ」
―あ!す、凄い、遺伝子細胞が現世よりも発達してる?そ、それにこの線虫は?
「被検体のサンプルよ。名付けてROH光体再生虫ですね~」
―オレの融合技術を応用しないで下さい。不正行為のため閉店致し?―ゴシュ!
―――ROHスぺジネス・インプスをインシュビ―の母体へ移植。これで動力源が倍増されました。超極大宇宙船アノミチコワレナイに量産型究極生命体を取り付けています。これで闇体人工知能のデーター送信により次元間移動の自軸修正も容易い事でしょう。では、このインシュビ―からアレを切り離しましょうか―――。
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ママゴトは終わりか?
叫んでみろ、お前の真の声で。
そこにゴールがあるなら、
もう少し眠れるだろう。
永遠に・・・縦笛吹いてろ、フフフ・・・




