キミに花束を
掲載日:2026/06/15
今日は彼女の誕生日。一体、何を贈ればよいだろうか。
ずっと悩んで、考えて、あっという間に当日になってしまった。
本当ならレストランを予約しようと思ったのだが、気味悪がられるだろうからやめた。
今日はゆっくり家で、彼女の顔を見ながら、昔の話をして夜を明かそう。
仕事終わりに、デパートへ立ち寄った。
いつもは花を贈っているが、せっかくの誕生日なのだから、何か別の物を贈りたい。
そう思ってデパート内をうろつくも、何を贈っても自己満足になるような気がして、結局、以前彼女が好きだと言っていた洋菓子を一つだけ買って帰路についた。
そして、自宅の最寄り駅にある夜間も営業中の花屋で、彼女の好きな花数種類を使った小さな花束を作ってもらった。
果たして、キミは喜んでくれるだろうか。
帰宅し、我が家の扉を開けると、いつもの彼女の笑顔が出迎えた。
「ただいま」
返事はないが、僕は彼女へ笑いかける。
そして仏壇に彼女へ買った花束を備えた。




