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転生者なので進化可能です  作者: コロン
惑星ルシア編
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第九十六話

試験後の登校日を迎えた朝、ノルトは憂鬱な気分で朝食を食べていた。


「はー、学校行きたくない」


試験休暇の間中ずっと部屋に引きこもりそう考えていたが休み明けにはしかたなく学校に登校した、ノルトの活躍は低級魔法師の間で広まっている、張り出された試験結果は予想通り低級魔法師クラスで一位、しかも歴代最高得点となっていた、教室に入ると自分の席に座り教師が来るのを待つ、しばらくして教師が教室に入って来て教壇に立ち話し始めた。


「はい、みなさん試験お疲れさまでした、試験結果はもう確認したと思いますが、今回納得する得点が取れた人はこの調子で続けてください、得点が低かった人は今まで以上に練習して次回の試験に挑戦してください、そしてノルト」

「はい」

「校長先生がお呼びです、このあと校長室に行くように」

「はい」

「それでは次の授業は筆記試験の模範回答と解説です準備しておくように」


先生の話が終わり言われた通り校長室へ向かう、校長からの呼び出しは前世も含めて経験がないので少し緊張しドアをノックする。


「低級魔法師クラスのノルトです」

「入りなさい」


ドアを開け中に入るとソファーが置いてありその奥に校長先生の机がある、ノルトが入って来るとすぐに立ち上がり手招きする。


「おめでとう!後期からは特別クラスで過ごしてもらう、賞状とバッジだ」


ノルトはめまいを感じながら賞状と書類それに特別クラスのバッジを受け取り礼をして校長室を出る、受け取った書類の中にあった案内に従い特別クラスの教室へ向かった、教室のドアが開いており中には複数の生徒が席に着いているどうやら俺待ちだったようだ、みんな上級生のようで遅れてきた俺を静かに見つめている、かなり怖い、俺は扉を閉めて空いている一番前の窓側の席に座ると教師が教壇へ移動し話し始めた。


「さて、これで全員揃ったな、特別クラスに入れたお前達はこの学校でもトップの優等生だ、お前達も知っている通りこの学校は六年制で卒業後に上級魔法師クラスの生徒は宮廷魔法師への仕官が可能となる、お前達は特別クラスなのでそれ以上の仕官が可能だ、羨ましいぞ、しかも後期が終われば卒業となるここには五年生以下の生徒しか入れない、つまり期間短縮で卒業となる、ここまでで何か質問はあるか?」


俺はとんでもないクラスに来てしまったようだ、この世界に転生したのはアルシェのためだ、しかし宮廷魔法師になってしまっては行動が制限されてしまう、目立たないように行動しなければならないのに非常に不味いことになってしまった、そう考えていると誰かが手を上げた。


「はい、ナシオン!」

「今ここに20名の生徒がいる、その内19名が五年生だ、毎日間休まず必死に訓練し実力を身に付けようやくこのクラスに選ばれた、だが、ただ一人だけ一年生しかも低級魔法師クラスから選ばれた者がいる、この理由を教えて下さい」

「いいだろう、質問されるだろうと思っていたからな、このクラスの生徒は校長先生の判断で選ばれる、それは知っているな?」

「はい、そう聞いています」

「クラス毎に試験内容が違うのはお前達も知っているだろう、上級は魔物の討伐、中級は冒険者との模擬戦、低級は攻撃魔法、回復魔法、補助魔法の効果で判断される」

「どのクラスの試験でも選ばれる可能性があるのですか?」

「そうだ、このクラスに選ばれる基準だが上級は試験で魔物を三体倒した者、ナシオンもこれに該当する」

「はい」

「次に中級では模擬戦で冒険者に勝利した者、これは今まで誰もいない、何故なら模擬戦の相手が上級冒険者だからだ、ナシオンも上級冒険者に勝つのは難しいだろ?」

「はい」

「では低級はどうか、まず攻撃魔法だが十連射もしくは十発同時発射だこれはノルトもできていない、次に回復魔法だがノルトは解毒を選択した、上級冒険者の腕を毒蛇に噛ませ魔法で解毒するのだがナシオンこれは簡単か?」

「はい」

「そうか、毒蛇がスポイルヴァイパーでも?」

「スポイルヴァイパー!」

「手を噛まれて二十秒で噛まれた腕は腐り落ちる一分で死に至る猛毒だ、解毒できるか?」

「それは・・できません」

「ノルトは解毒に成功した、回復魔法は知っての通りどの回復についても同程度の効果が発揮される、つまりノルトは腐り落ちた片腕を瞬時に回復させる魔法を使えるのだ、これは回復と言うより王国に三人しか使えない再生魔法に近いだろう」

「その実力があるなら低級魔法師クラスが間違いなのでは?」

「クラスはあくまでも魔力量で分けている、魔法の実力ではない」

「それはそうですが」


更に異議を唱えようとするナシオンを手で制し話を続ける。


「次に補助魔法だが、ノルトはシールド魔法を選択した、このシールド魔法を打ち消すレベルの攻撃魔法を上級冒険者は放たなければならない、そう言う依頼だからな、上級冒険者がノルトに放った魔法は自身が使える最高の攻撃魔法トリプルサンダードラゴン!」

「そんなバカな!」

「この中にトリプルサンダードラゴンを使える者は?いないだろう、そんな魔法が使えたら学校に通う必要がないからな」

「防いだのですか?」

「防いだ、つまり上級冒険者以上の実力が彼にはある、どのクラスに分けられたとしても今回の試験で特別クラスに選ばれただろう」

「では彼、ノルトはこの学校に入学する必要が無かったと?」

「そうだな、冒険者ギルドに登録すればあっという間にアダマンタイト級冒険者になるだろうし王国へ仕官すればすぐにでも宮廷魔法師に採用されるだろう、理由はこれで分かったか」

「はい・・」

「我々教師は魔法師を育てること以外にノルトのような者を発見する仕事もある、この国では一定の魔力量がある者は学校に通わなければならない、実力を隠していた理由は分からんが校長の目からは逃れられなかったと言うことだな」


凄く気まずい空気が流れている、あと半年で卒業できるのは良かったがその後はどうしようか、いっそ本当にリディアと結婚するのはどうだろう?そんな事を考えていたら先生の説明が終わった、翌日から夏休みまでの間は授業が行われたが主に社会人としての一般常識やマナー教育の内容だった、最終日に夏休み中の注意点と後期の授業について説明があり解散となった、急いで寮に帰ると荷物を置き冒険者ギルドへ向かったが登録はできなかった、冒険者になれば宮廷魔法師にならずに済むかと思ったのだが年少のためダメなのだそうだ、保護者がいれば十二歳から登録可能だと言われた。


「夏休みか、明日からどうするかな」


寮に帰ると特別クラスの先生がノルトを訪ねて来ていた、ノルトを見つけると笑顔で駆け寄ってくる、何の用だろうか?


「ノルト探したぞ、急いで帰ったけど何か用事だったのか?」

「冒険者ギルドに登録しようと思ったんですけど年齢制限があって無理でした」

「なんだ同じ用事か」

「同じ?」

「冒険者ギルドへの登録は俺が保護者代理として一緒に行ってやろう、商業ギルドへの登録も必要だろ?口座を作れば便利だしな」

「どうして俺に?」

「学校としてはノルトを他の国に取られたく無いんだ、今この町で登録をすれば所属国がこの国に固定されるからな」

「固定されるとどうなるんです?」

「他の国の貴族や兵士になれない、結婚についても他国の王族や貴族は除外される当然徴用にも応じる必要がない、この国の冒険者だからな」


冒険者ギルドに登録すればお金も稼げるし身分証にもなる、ありがたく登録に協力してもらうべきだろう。


「俺にとっても特にデメリットが無いように思います」

「なら今から行くか」

「はい」


冒険者ギルドは保護者がいれば十二歳から登録できる、俺はまだ十一歳だがこの町でも有名な学校の先生が保護者代理と言う理由で特別に登録してもらえた、商業ギルドにも同様に登録してもらうと寮に帰る、冒険者ギルドに登録させる目的を果たした先生は気分良く帰って行った、くれぐれも無茶はしないようにとの注意も受けたが一人で冒険者として行動するのは無茶だろうか?

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