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第七話

転移魔法で30階層へ移動し最下層を目指す、フロアの探索もあまりせずにモンスターを倒しながら下り階段を探して回った。


「そろそろ40階だな」

「データベースによりますと単独での到達者は初めてのようです」


40階以降はモンスターの強さも一段上がり毒や麻痺などの状態異常攻撃が増えてきた、ポイズンリザードや痺れマイマイをファイアボールで倒す、状態異常の耐性も高いのであまり気にしてなかったが麻痺で動けなくなると困るので接近される前に全滅させながら進んだ、そして遂に50階へ到達した。


「ここにボスがいるみたいだがどうだ?」

「アースジャイアントを確認しました、通常は単独での戦闘など自殺行為ですがクレイ様なら問題ありません」

「問題ないか、よし行くか」


進化前に目標としていたボスにひとりで戦うとは思ってもみなかったがAIの分析を信じて扉を開け中に入ると中央に巨人が立っていた。


焦げ茶色の肌に鋼の鎧を身につけ大剣を持っている緑色に目が光るとクレイに斬りかかって来た、大剣を上段に構え走り近づいて来るそのスピードは高レベルの戦士と変わらないだろう、大剣を振り下ろすその威力は凄まじくクレイが避けた地面に大きな亀裂を刻むすぐさま横なぎに振るわれた大剣がギィン!と音をたてる、クレイが剣で受け止めていたクレイの剣は魔法で強化され青い光を帯びている、そのまま力任せに大剣を振り切ろうとするがクレイの剣に少しずつ切断されてしまう、驚愕の表情を見せるアースジャイアントに向け魔法を撃ち込む。


「ウインドカッター!」


威力を抑えず放たれた風の魔法がアースジャイアントの右腕を切り飛ばす、躊躇せずに左の拳で殴りかかって来るがジャンプして避けるとそのままアースジャイアントの首を切り落とした、と同時にクレイの剣もボロボロと崩れ落ちた。


「剣がダメになったな」

「魔力での強度上昇に耐えられなかったようです」

「新しい剣を取りに帰るべきかな」


その時崩れ行くアースジャイアントのドロップ品が現れた。


「大剣をドロップしましたこれを使われてはいかがですか」


ドロップした大剣を片手で持ち上げアナライズの魔法を使う。


「大地の大剣か」

「攻撃力、耐久性共に申し分ない逸品ですが並みの戦士では扱えない重さが問題の武器です」

「そんなに重いかな?」

「両手でも重すぎて扱いにくい大剣を片手で扱えるご主人様はやはり規格外の腕力ですね」


片手でひとしきり振り回して感覚を確かめると同時にドロップした大剣用の鞘を背中に身につけ鞘へ収める。


「問題無さそうだ」

「先へ進みますか?」

「そうだな」


階段を下り下層へ進む、徘徊するモンスターも強くなっているはずだがなぜかまったく襲って来なくなった。


「モンスターはいないのか?」

「いいえ、大地の大剣による装備効果と思われます」

「そうなの?」


アナライズの魔法で再度調べてみると大剣の装備効果としてアースジャイアントより弱いモンスターは気配を察知し逃げ出していると判明した。


「これなら次のボスまであまり戦わずに進めそうだな」

「油断せず進みましょう」


55階まではモンスターに出会わずに進んだ、その後クイーンリザードやフロストオーガなどに出会うようになったが大地の大剣を魔法で強化し試し切りしながら進んだ、強化の限界も把握しだいぶ手にも馴染んできたところで60階のボス部屋まで到着した。


「ここはボスがいるんだよな」

「アダマンタイタスが中にいるようです、防御力が非常に高くブレス攻撃力も強力です」

「分かるのか?」

「ここを見てください、扉の模様のように見えますが古代文字でそう書かれています」


AIが扉の文字を光で照らして見せ説明を続ける。


「スキルとして自然治癒強化を持っておりダメージ回復と自己再生能力に優れています」

「ひとりでも勝てそうか?」

「大地の大剣を片手で扱えるご主人様の敵ではありませんが冷気が弱点ですので一応伝えておきます」

「冷気系の魔法剣使ってみるか」


扉を開けると巨大な亀のモンスターアダマンタイタスが待ち構えていた、いきなりストームブレスを吐いて来たが大剣を構え突き進む通常なら不可能で無謀な作戦だがクレイの周りに防御魔法が展開されておりストームブレスによるダメージはない。


「フロストソード!」


大剣が冷気を帯びる大きく振りかぶり剣技を放つ。


「ブルクラッシュ!」


アダマンタイタスの頭に叩きつけると切り下ろす前に甲羅の中へ逃げる。


「ブルクラッシュ!」


甲羅の上から大剣を叩きつける普通なら弾かれるはずだがクレイの腕力で押し込むと甲羅ごと粉砕しアダマンタイタスに止めをさした。


「甲羅ごと粉砕するとはさすがご主人様です腕力の予想値を上方修正しておきます」

「またなにかドロップしたぞ」

「大盾のようです」


アダマンタイタスが消えたあとに落ちている盾を拾い上げると魔法で調べる。


「アナライズ!」


アダマンシールドと表示されるこれもかなりの重さのようだがクレイにとっては普通の盾と同じように扱えるので装備品とした。


「物理攻撃だけでなくあらゆる魔法攻撃のダメージも防げる最高級の大盾です」

「魔法も冷気や熱も防げるみたいだな、拡張スロットもある」

「二回連続でレアドロップとはご主人様の運も常識を越えた値なのでしょうか」

「レアドロップか、ならそうなのかもな」


70階までのモンスターはサンダーホースやフレイムフライが襲ってきた、アダマンシールドの性能を確認しながら進むボス部屋まで到着したがさすがにこれ以上のボス戦は疲れるので一旦転移魔法で入口まで戻りフォルトのカプセルを確認し宿泊施設を利用した。

モンスターからのドロップ品も換金しておく換金はドロップ品を換金の機械に入れ画面に表示される査定を押す、表示される金額で良ければ決定を押すと探索者IDカードに入金される仕組みだ、それから食堂でハンバーグセットを食べる変わらない味に安心するそしてベッドでゆっくり休んだ。

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