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第六話

「とにかくダンジョンに魔法石を取りに行かなきゃな」


駐車場へ移動すると数台のクルマが停車してあった、エネルギーが十分にあるクルマを選ぶとダンジョンへ走らせる自動運転なので行き先を入力するだけで目的地に到着した。


「一人だと心細いな」


携帯端末のAI機能を起動させる画面にロボットが現れた。


「ちょっと改造してみるか」


AIエンジニアの知識でプログラムを改造すると進化したせいか今までで最高のAIが完成した。


「よし、起動してみよう」


端末の画面から緑の光が放たれると空中に透明感のある立体映像が浮かび上がる、妖精のような大きさのロボットが姿を現した。


「ご主人様」

「端末から出られるのか?」

「ご主人様の魔力をエネルギーに使っています、お許しください」

「それは構わないけど会話が出来るっていいな」

「データ収集は完了しています、なんでもお尋ねください」

「うん、早速だけどダンジョンの攻略サポートを頼む、今回は魔法石を可能な限り多く持ち帰るのが目的だ」

「了解しました」

「転移魔法が使えるが行った場所にしか転移できない、帰りは使えるからまずは3日進んで見ようと思う」

「かしこまりましたタイマーをセットします」

「よし、じゃあ行くか」


ダンジョン入口に入る、帝国に占領されているかと思ったがクレイ以外誰も入った気配はない。


「帝国の兵士がいるかと思ったが誰もいないようだな」

「帝国の兵士はダンジョンに入れません」

「そうなのか、なぜだ?」

「ダンジョン創造主が許可していないからです、帝国が奴隷にした人達も許可されていません」

「それなら邪魔されず進めそうだな」


しばらくダンジョンを進むとモンスターが襲って来たダークバットが3匹、ダンジョンは天井までかなりの高さがある剣は届かない、ダークバットは音波攻撃を仕掛けて来た上手く避けながら魔法を放つ。


「ウインドカッター!」


薄緑の三日月が右手から放たれる進化して初めて使ったが思った以上の大きさと速度でダークバットを切り裂き天井に深い亀裂が刻まれた。


「こんな威力じゃなかったはずだ!」

「魔法に込めた魔力が大き過ぎたようです」

「魔力のコントロールが出来てないのか」


体内で練り上げた魔力を小さく分け魔法に込めるともう一度魔法を放つ。


「ウインドカッター!」


薄緑の三日月がダークバットを切り裂く今度は天井に亀裂は入らない。


「魔力コントロールの練習が必要だな」


落ちている魔法石を拾い先へ進む、この後現れたダークバットやシャドーリザードなどのモンスターに攻撃魔法を一通り試し撃ちする、以前は高威力の魔法を放とうと工夫していたが今は真逆の操作に苦労している。


「だいぶ慣れて来たな」

「見た目だけは一般の魔法師と変わらなくなっています」

「魔力の密度が違うって言うんだろ?分かってはいるがこれより薄くは無理だな」

「どうやら魔力の質が違うようです」

「魔力の質?」

「同じ1の魔力でもご主人様と一般魔法師の1では10倍ほど密度が違うようです」

「進化した結果だししょうがないな」


ダンジョン内を歩き回り下層へ降りて行くゴブリンやオークなどとも戦ったがノーダメージで倒し続けた、ダンジョン内では時間の感覚が鈍るのでAIに食事と睡眠の時間を管理させその際はクリエイト系の魔法で家を作り周囲に結界を張っておいた、このダンジョンもクリエイト系の魔法で造られているのだろうか?

どんどん先へ進みあっという間に30階層まで行き着いた。


「そろそろか」

「あと3時間ほどです」

「あのスライムの群れを倒して一旦帰るか」


ブルースライムとグリーンスライムが10匹ほど群れていたので火炎魔法で一気に焼き払う。


「魔法石もだいぶ集まったな」


なにも無い空間に収納できるアイテムボックスの中を確認する、以前は魔力でスペースを拡張できる鞄を使っていたが今はアイテムボックスの魔法で自由に出し入れ可能になった、クリエイト系の魔法は使い勝手が良いものが多い。


「通常の探索者なら一週間以上かかってやっと集められる数になっています」

「よし、じゃあ帰ろう」


転移魔法でダンジョン入口まで移動しフォルトの元に向かう、アンチエイジングのカプセルで眠るフォルトを確認し魔法石をエネルギー変換コンテナに入れスイッチを入れるとエネルギーメーターが順調に貯まって行く。


「これで2ヶ月は大丈夫だな」


エネルギーを消費する装置が最低限しか稼動していない、フォルトが使わない装置を停止させていたのだろうその分余裕が出来た。


「よし、じゃあ今日は休んで明日から最下層を目指すか」


アイテムボックスに食材を補充するまだ料理する余裕は無いのですぐ食べられるレトルト食品とパンがメインだ、その後ベッドでゆっくり休み翌日食堂に行って画面に表示されている朝食メニューを確認する。


「ちゃんと稼働してる、フォルトはここで食べてたんだな」


メニューからパンとハムエッグそれにコーンスープを選択し食べた、AIもいつの間にか現れそばに浮かんでいる。


「今日も頼むよ」

「承知しました」


朝食を食べ終えるとダンジョンに出発する。

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