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第十話

「クレイ!」

「フォルトさん」


フォルトのアンチエイジングはすでに完了していてカプセルから出ていた、お互い駆け寄り笑顔になる。


「少し前に出たんだ」

「こっちも今帰って来ました調子はどうですか?」

「すっかり元通りだ、クレイほどじゃないが俺も前より強くなってるんだぜ」


フォルトが携帯端末を見せてくれた、クレイが目覚めるまでの150年でレベルも上がっているとは思っていたが、老人だった体が今回のアンチエイジングで若返りステータスも上昇したようだ。


「そうみたいですね、フォルトさんとりあえず食堂に行きませんか?お腹ペコペコで」

「そうだな、ダンジョンから戻ったばっかりだもんな行こう」


食堂に到着するとクレイはハンバーグセットを注文する。


「クレイは相変わらずハンバーグ好きだなぁ、俺はビーフシチューにするか」


食事をしながらフォルトからクレイが眠っている間になにがあったのか話してくれた、帝国が戦争を仕掛け共和国軍が応戦するが防戦一方で遂に探索者にも傭兵として戦争に参加するよう求められたそうだ。


「帝国の兵士はそんなに強かったんですか?」

「武器のレベルが違うんだ、帝国のレーザー銃やレーザー砲は共和国のシールド魔法を貫通する、鋼の鎧や盾でも防げないんだ」

「探索者達の鎧や盾は?」

「貫通はしなかったがダメージを受け続けボロボロになったんだ、まともに戦える状況じゃ無かったな」

「それで降伏したんですね」

「その後も反乱軍として抵抗しているが、反乱軍鎮圧に共和国の探索者や兵士が契約魔法で縛られ無理やり参加させられている」

「まだ抵抗しているんですか」

「ブルージュ宰相がまだ抵抗しているが時間の問題だろう」

「僕達も反乱軍に参加しましょう」

「本気か?いくら進化したからって勝てる相手じゃないぞ」

「フォルトさんもこのまま隠れて過ごすのは嫌でしょ?ダンジョンで装備品を一式揃えて来ました、まずは見てください」


アイテムボックスからフォルト用に作った武具を出しテーブルに乗せる。


「今のアイテムボックスの魔法か!」

「そうですけど」

「そんな魔法まで使えるのか」

「進化前は使えませんでしたねそう言えば」

「まあいい、それよりこの武具俺のために用意してくれたのか」

「そうですよ、これなら帝国の武器も防げます」

「まあクレイがそうしたいのなら俺は強力するがまずは今の町の様子を確認するのが先だな」

「そうですね」


装備品を丁寧に調べながらそう話す、鎧を置き弓矢を調べていたフォルトがクレイに聞く。


「この矢筒、魔力で矢が作られるみたいだが?」

「魔法石でもフォルトさんの魔力でもOKですよ」

「なら魔法石じゃなく魔力を繰り返し込められる宝石か宝珠があればもっと便利だな」

「宝石か宝珠ですか、あいにく僕は持ってなくて」

「なら町に買いに行くってのはどうだ?」

「売ってるんですか!ダンジョンから持ち帰ったドロップ品を現金化してきます!」


大急ぎで換金に行くクレイを見ながらフォルトがつぶやく。


「俺の貯金もあるんだけどな」


クレイが戻って来たあと商店街へ向かった、市民に混じって帝国の兵士もちらほら見られる。


「こっちだ」

「本通りの店に入らないんですか?」

「裏通りに馴染みの宝石店があるんだ」

「そうなんですか」


裏通りは薄暗くあちこちにやつれた人が座ったり寝転んだりしている。


「あれは?」

「違法薬物の取り引きだろ」

「取り締まらないんですか?」

「帝国の兵士にいくらか握らせてるんだろうな」


違法薬物の取り引きはちらほら見られる、以前もあったのかも分からないがこんなに目につかなかった、風俗の客引きも多い商品として飾られている写真には獣人族や少女の姿も見られる。


「こっちだ」


フォルトについて行くと怪しげな店があり中に入る。


「いるか?」

「いらっしゃい、あんたフォルトかい?怪我は治ったみたいだな、それにアンチエイジングも済ませたのか!」

「まあな」

「どうやったかは知らないが危ない橋は渡らせないでくれよ」

「大丈夫だ、それより魔力を貯められる宝石か宝珠はないか?」

「あるにはあるが高くつくぜ」

「これで足りますか?」

「あんたは?」

「クレイと言いますフォルトさんの後輩です」

「へー、じゃあフォルトが面倒見てた生命維持カプセルの?」

「そうだよ、それより金は足りるのか?」


店主が探索者カードを確認するため機械に読み取らせる表示された金額に驚いた表情でクレイを見つめる。


「うちの店で最高の宝珠が買えるがどうする?」

「ちょっと見せてみろ」


フォルトが金額を確認し驚く。


「クレイ、正直足りないと思ってたんだがな」

「この店で最高の宝珠をください」

「へい、まいど!」

「いいのか?」

「いいんですよ」


店主は店の奥から鍵のか付いた箱を持ってくると鍵を外し箱を開ける、中には純白の丸い宝珠が入っていた。


「白色オーブだ、他じゃ手に入らないぜ」

「ちょっと高過ぎないか?」

「端数は引いてやる」

「ではお願いします」

「まいど、また来てくれよ」


店を出るとフォルトに探索者カードを安易に渡すなと注意された、盗難防止に呪いの魔法を付与していると説明するが、それでもデータをコピーされたり帝国軍に通報される可能性もあると言われた。

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