第百一話
翌日、朝食のソーセージを食べながらリディアとリアナの装備について考えていた、リディアはレイピアを使っていたなリアナは杖か、武具の工房へ行くとレイピアと杖を作り始めるレイピアは金鉱石を混ぜ少し重めに作った、オリハルコンは魔力を流しやすい性質がありこれに金を混ぜるとより折れにくくしなるようになる、少し重くなってしまうのが難点だがこれをリディアが使いこなせるようになったら一緒に魔物討伐へ連れて行ってやろうと決めた、この日はブレストアーマーも2つ作り色を薄緑とブラウンに仕上げる、翌日、朝食後寮を出るとリディアとリアナがもう来ていた。
「早いな、夕方でよかったのに」
「午前中の方が時間が空いててな」
「そうか忙しそうだな、貴族だもんな、まあいいか、よしじゃあ部屋に入ってくれ」
「え?部屋か、分かった」
寮の部屋はワンルームで狭いがリディアとリアナは文句も言わず部屋に入った。
「ノルトは割と誰でも部屋に入れるのか?」
「いや、お前達が初めてだ」
「そうか、綺麗にしているんだな」
「物が少ないからな、じゃあ始めようか」
「えっと、その、二人同時には色々と問題があるんじゃないか?」
「そうだな、じゃあ慣れてなさそうなリアナからしようか」
「ま、待ってくれ、私も慣れてないと言うか初めてだ、私からでもいいんじゃないか?」
「初めて?いやリディアは何度も経験ありそうだが」
「そ、そんなわけ無い、私からだとダメか?」
「まあいいけど、じゃあ上着を脱いでくれ」
「上着だな、いいぞ、脱ぐぞ、はい脱いだ」
「じゃあ後ろを向いてくれ」
「後ろか、こうか、する前に声を掛けてくれよ、いきなりだと驚くからな」
「分かった、じゃあ始めるぞ」
「はい」
リディアは目を瞑り少し震えている、まさかリアナの前でこんな風に始めるなんて、きっとこれが条件なんだろう、こうなるかもと思っていたし覚悟も決めてきた、そう考えていると肩に触れる指の感触があった、大丈夫だきっと優しくしてくれるはずだ、たぶん大丈夫、でもやっぱり、私、ダメかも、崩れそうになる足を踏ん張り堪えているとジジジジーーと音が鳴る。
「よし次は横向きだ手を上げてくれ」
「横?いったい何を?」
「採寸だ、どうした?顔が赤いぞ、熱でもあるのか?」
「採寸?」
「胸回りも測るが構わないか」
「え、ああどうぞ」
「うん、まあこんなもんだな」
「こんなもん?いや、違うぞ、今は晒しを巻いているからな、ほんとはもっとあるぞ」
「そうか、なら少し大きめにするか」
思っていた展開とは違い張り詰めていた緊張が一気にほぐれ安易に胸のサイズまで計らせてしまった、だが今のリディアには些細な事のように思えていた。
「ところで私はなぜ採寸されているんだ?」
「いい鉱石が手に入ったんだ、ブレストアーマーを作ろうと思ってな、魔物と戦うなら装備は重要だろ?」
「私は貴族だぞ、装備くらい自分で用意できる」
「そうか、それもそうだな、俺は鍛治師のスキルを使えるから作ってやろうと思ったんだが余計だったな、じゃあリアナの分だけでいいか」
「い、いや、待ってくれ!せっかく採寸したんだそれに私の胸のサイズまで測ったんだぞ、作ってもらおうじゃないか」
「そうか、じゃあそうするか」
リアナの採寸も終わり昨日作ったレイピアと杖を渡す、リディアのレイピアは深紅の刀身に金のラインが入っている貴族のリディアが持つととても良く似合う逸品だ、リアナの杖はトールの物より少し小さく薄い黄色にしておいた。
「これを私にくれるのか」
「私も頂いていいの?」
「二人ともこれを使いこなせるようになったら連れて行ってやる、このくらい使えなきゃ魔物は倒せないからな」
「そうか、それもそうだな、分かった、よしリアナ練習だ」
「リディア様、いいんですか」
「ノルトが言ったんだ、これを使いこなせれば連れて行くと」
「でもお兄様は?」
「ねじ伏せる、どうせ私相手に本気は出せないしいざとなればアレを投げてやる、兄上なら絶対取りに行くからその間にダッシュで家を出るさ、さあ行くぞリアナ!」
「大丈夫かなぁ」
二人が急いで帰って行った何やら問題発言をしていたが聞かなかったことにしよう、ノルトは寮を出ると武具工房へ向かう、今日も工房で武具の作成を始めると店主が熱心にメモを取り完成した武具を検品していた。
それから4日毎日工房へ通い全ての武具を作り終えた、リディアとリアナのブレストアーマーも完成しているショートシールドも作ったが二人が使うかは任せようと思う、完成した武具の数を確認していると自分の物がまだなのに気付き、ブレストアーマー、ショートシールド、杖、ロングソードを追加で作成した、色は濃紺にしマネキンに着せ見た目を確認する、自分で作った武具だが高級感があってとてもカッコいいと思う、店主に礼を言うと弟子になりたいと申し出があったがこれは丁重にお断りした、匠のハンマーはエルダードワーフのスキルなので店主がいくら特訓しても使えるようにはならないからだ、それでもどうしてもと言うのでロングソードと鎧を作りお手本にしてくれと渡しておいた、人間の使える鍛治スキルだけでも同じような性能の武具が作れる可能性はゼロでは無いだろう。
翌日学校の訓練場で杖とロングソードの使い心地を確かめる、自分で作ったのですぐ手に馴染んだ、魔力の伝導率も高く体内で練り上げた魔力を杖に流すと握っている間は魔力を杖にストックすることが可能と判明した、これは杖だけの特性でロングソードにはストックできない、一通り試した後で上級魔法師の練習場へ行ってみた、予想通りリディアとリアナが練習しているリアナはだいぶ上手く使えるようになっていたが、リディアはまだレイピアに振り回されている感じがするやはり重すぎたのかと思い話し掛けてみた。
「リディア、やっぱり重過ぎるようだな」
「いや、大丈夫だそれより練習を見に来てくれたのか?」
「それもあるが防具が完成したので渡しておこうと思ってな」
ブレストアーマーとショートシールドを渡すとリディアは感激していた、リアナも嬉しそうにしていたので気に入ったのだろう。
「もしサイズが違ったり違和感があれば教えてくれ」
「了解した」
「思っていたより軽くて動きやすそうです」
「じゃあ練習頑張れよ」
「よしリアナ、もっと頑張るぞ!」
「はい」
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ノルトが帰ったのを確認しリディアとリアナは急いで更衣室へ向かう。
「リディア様よくお似合いです!」
「少し大きいか」
「採寸の時に見栄を張るからですよ」
「リアナはピッタリだな」
「採寸通りですから」
「しかしこの鎧にしてもレイピアにしても最高級品だぞ」
「職人レベルの技術ですね」
「よし、決めた!やっぱり結婚しよう」
「結婚は無理だと思いますよ」
「練習だ練習!」
嬉しそうに練習を再開するリディアを見てなんとか力になりたいと思うリアナだった。
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