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プロローグ
いつもの仕事帰り、電車を乗り継ぎ最寄り駅から自宅へ歩いていると急に雨が降り出した。
自宅まであと少しだが幸い傘を持っていたので迷わず傘をさした。
十一月も下旬なのに季節外れの台風が近づいていると朝の情報番組で聞いていた。
交差点の信号は青のランプが点滅している、急いで渡ろうと小走りで横断歩道に入るその時、急に雨が強まり猛烈な突風に煽られた、傘に風を受け引っ張られる、なんとか踏ん張っていると突然大きなクラクションの音が聞こえた、ヘッドライトが傘を照らす目の前にダンプカーが迫っており避けられそうにない、そのまま衝突する目の前が真っ暗になった。
痛みは感じなかったが体に力が入らない、動かない体と出せない声、死ぬのか、そう思った。
意識が遠のく、遠くから救急車のサイレンが聞こえる。
不幸な事故により死んでしまった会社員が異世界に転生する、高度な科学技術と剣と魔法とダンジョンの世界。
彼は世界にどんな影響を与える存在になるのか、前世の記憶があまり役に立たない転生者の物語。