表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

70/196

70.神の怒り



 お風呂から上がったあと……。

 イッコジーさんの用意してくれたお部屋にいた。


「すごいわ……この魔法ドライヤーって魔道具!」


 筒状の魔道具だ。

 中から熱風が出てくるのである。


「すごいやろ? ガンコジーが作ったもんなんや」

「ガンコジーさんって本当にすごいのねえ……」


 イッコジーさんもまた、自分で、ドライヤーで髪の毛を乾かしてる。

 わたしはというと……。


「デッカーちゃん、いいわよ、自分の髪の毛くらい、自分で乾かすわ」


 元トロルのデッカーちゃんがわたしの髪にドライヤーをかけている。


「いいんだべ! 今日は神さまお疲れだべな、おらがやるんだべ! せめてもの恩返しだべっ!」


 別にいいのに、デッカーちゃんはそう言って聞かない。

 まあむげにするのもよくないわよね。


「ところで、嬢ちゃんマジですごいんやなぁ。魔法の才能ありまくりやんな」

「さっきのこと?」

「せや、水変式の魔力診断。六属性持ってるやつなんて人間じゃおらへんわ。ああ、大昔におったっていうな」

「だれ?」

「ノアールっていう、大賢者様……」

「ノアール様ですって……!!!!」

「うぉ! なんや大声出して……」


 そんな……ノアール様……。

 わたしや天導教会てんどうきょうかいの聖職者達が信じる神も……。


 唯一神、ノアール……様……。

 つまり……。


「同姓同名ってことね」

「なんでそうなんねん! あんたが信じる神と同一人物やろ!」

「まさか、ノアール様は神さまですよ? この世界を作った神さまと、この世界に存在した神さまが同一人物なわけないじゃないですか。第一、賢者ノアールは人間だったんですよね?」

「ああ、どえらい魔法使いやときくで、初級魔法でSランクのモンスター、火山亀をワンパンしたって」

「ふっ……」


 初級魔法で、Sランクを……ねえ……。

「あまいです。ノアール神さまは、指先つん……でSモンスターを破壊したと伝承には書いてあります」

「いやそれはさすがに誇張しすぎやろ……」

「誇張じゃ無いです。ノアール様の使徒にして、われら天導教会てんどうきょうかいの開祖、聖女エルレイン様の残した【経典】には、そのエピソードが書いてあります」

「開祖……エルレインねえ……」


 エルレイン様の残した経典の写しを、わたしは持っている。

 バッグから取り出して、それをイッコジーさんに渡す。


「えー、なになに。『偉大なるノアール神様は、ただ座っているだけでその場を聖域とし、歩けば荒野に花が咲きみだれ、微笑む姿を見た者の病気を治した』」


 ノアール様の代表的な偉業だわ。

 イッコジーさんも感銘を受けている!


 やはりさすがノアール様……!


「なんやこの作り話?」

「なんですって……! つ、っつう、つつ、作り話っ!? 不敬だわ!」


 そのときだ。

 ごごごごごご……!


「な、なんや!? 何が起きてるンや!」

「大変じゃ!」


 ガンコジーさんが扉を開けて、大慌てで入ってくる。


「雪崩だ! なんだか知らぬが、突如として大雪崩が発生し、こちらに大量の雪が流れ込んできてる!」

「なんやてぇええええええええええええええええええええ!」


 ああ……これは……。


「ごらんなさい、神の怒りです!」


 ノアール様を侮辱したから……!


「さっきまで吹雪は止んでたんじゃが、ついさっき急に吹雪いてきたんじゃ……」


 わたしは一生懸命目を閉じて、祈りを捧げる。


「ノアール様、不信心者がご無礼を働き、誠に申し訳ございません……」


「「吹雪がやんで、雪崩も消えた……!?」」


 ふぅ……ノアール様は、お許しになられたようだわ。

 ありがとうございます、神さま……。

 

「わかりましたか、イッコジーさん。神さまを侮辱すると、天罰が当たるのです」

「あ、いや……あんたが魔法で雪を降らせたんとちゃいますの……?」

「なっ!? ぶ、ぶぶぶ、無礼な……!」


 ごごごごごごごごお……!!!!!


「あーすまんすまん! そうやな、神さまがやったんやな! すんまへん神さま……!」


 すん……。


「神さまはお怒りを治めてくださったわ。イッコジーさん、これからも神さまには最大の敬意を払いましょうね。でなければ、天罰を受けますから……」


 さすがのわたしも、天罰を止めることはできないわ。

 それが神さまの下した決定だとしたら、覆すことはできない。


「……き、キリエ嬢ちゃんの前でノアール神について触れるのやめておくわ。魔法で殺されてまう」

「……あの嬢ちゃんは自分が凄い魔法を使ってるって、頑なに信じておらんようじゃな」

「……全部神さまの仕業や思ってるンやろ? やばすぎやろ……」

「……しっ! キリエ嬢ちゃんがまた怒りを発動させてしまう、あまり刺激しないようにするのじゃ」

【★読者の皆様へ お願いがあります】


ブクマ、評価はモチベーション維持向上につながります!


現時点でも構いませんので、

ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂けると嬉しいです!


お好きな★を入れてください!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 狂人の方向を向いてもなー
[一言] キリエ狂信者じゃん…… こわ……
[一言] 確かに、神(キリエ神)の怒りw ノアッチ神なら本当に、全部出来るでしょうw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ