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150.レアアイテムを生み出すキリエ



 わたしたちの村に、ドワーフのイッコジーさんがやってきた。


「なんやて!?」

「ど、どうしたの……?」


 デッカーちゃんが村中央にある、公園までやってきた。

 ここにはノアール様の像(と何故か私の像……)がある。


 それだけではなく、地面からにょきっと筒……? のようなものが伸びていた。


「ガンコジー! これって……ポンプやんな?」

「ぽんぷ?」


 なにかしらそれ……?


「ここのレバーを上げ下げすると、地下から水をくみ上げる、そういう仕組みの道具や」

「へえ! すごい……! 便利ね」


 井戸から水を、わざわざくみ上げなくてもいいだなんて……便利だわ!

 これなら、魔物さんたちでも簡単に、水がほしいときに水を飲める!


『え? 姉ちゃんなにいってんの? 上げ下げなんていらねーぞ?』


 くま吉君がはて? と首をかしげる。

 え、とわたしもイッコジーさんも驚く。


「どういうこと?」

『これはねー、レバーをこうやってあげる』


 くま吉君がレバーを上げる。すると、細長い筒から、すごい勢いで水が噴き出した!


「なんやてえええええええええええええええええええ!?」


 イッコジーさん驚愕。た、たしかになにこれ……?


「まさか! ポンプで水をあげてるんちゃうんか!?」

「そうじゃ。これはレバーを上げるだけで、水が出てくる優れものじゃ」

「すごすぎやん! これならポンプを上げ下げする労力必要あらへんわ! て、てか……水は? ポンプ使わないってことは、地下からくみ上げてるんとちゃうの?」

「うむ……これは水を自動で作り出す、水魔石が核に埋め込まれて折る」

「すすすすすうすすすすうすぅうういませきぃいいいいいいいいいい!?」


 聞いたことない単語ばかりだわ。


「ぐーちゃん、スラちゃん知ってる?」

『『しりゃにゃーい』』


 だよね。わたしも知らない。ふふ、おそろいだわ。


『姉ちゃんの知識レベル赤ん坊と一緒だね』

「そ、そうね……くま吉君……」


 事実だけども、落ち込んじゃうわ。


「水魔石なんて超が百……いや、二百も着くレア鉱石! いったいどこにあんねんな!?」

「キリエの家の風呂場じゃな」

「なんやてええええええええええええええ!?」


 若干置いてけぼりになっていたところに、聞き捨てならない単語が、耳に入ってきた。


「ふ、風呂場……?」

「そうじゃ。正確に言えばキリエの風呂の残り湯に、水魔石が沈殿しておる。くま吉に回収させてるのじゃ」

「「なんやてえええええええええええええ!?」」

 

 イッコジーさんと一緒に叫ぶ私!


「の、残り湯!? くま吉君、そんなことしてたの!?」

『うん。え、だめかい?』

「あ、あたりまえでしょっ。残り湯なんて不浄なもの……!」

『ふじょー?』

「汚いでしょっ!」

『ぜーんぜん。キリエ姉ちゃんの入った後のお湯ってね、すっごいんだぜ。入るだけで疲労回復、肩こり解消、そのほか諸々……とにかく健康になるって、母ちゃんが言ってたぜ?』


 何それ聞いてない……!!!!!!!!!!


「そういや、嬢ちゃんがドワーフ国来たときも、そんな現象おきとったな……。まさかそのお湯の沈殿物が、水魔石……超レアアイテムとは……」

『ねーちゃんしゅげー』『ぴゅい!しゅげー!』


 なんか知らないけど、私また何かやっちゃっていたようだ。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 聖女のだし汁が聖なる力を持つ段階なら、 聖女の涙とかならもっと強力な効果がありそうなのに、そういう展開はなかったな。
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