105.ごめんね
《キリエSide》
色々あったけど、白澤のヴァジュラさんを連れて、奈落の森へと帰ってきた。
旧楽園にて。
「心配したぜキリエ~~~~~~~~!」
竜のアニラさん(今は人間姿)が、わたしに抱きついてくる。
しゅるん、とメドゥーサちゃんもまた、わたしに絡みついてきた。
「……キリエ、無事でよかった」
そこへ……。
『ねーちゃーん!』
ずどどどど! とくま吉君(Lサイズ)が走ってきて、飛びかかってきた。
そのまま押しつぶされる。
「く、くま吉君重いわ……どいて……」
『ごめんよぉう、でもでもっ、姉ちゃんが無事でよかったー! チャトゥラの兄ちゃんだけじゃ頼りないしね!』
がっくり、とチャトゥラさんが肩を落とす。
「そんなことないわ、彼はとても頼りになったよ」
「キリエ様……!」
ぱぁ……! とチャトゥラさんが表情を明るくして、犬尻尾をパタパタさせる。
かわいい。
「んで、駄犬は何の役に立ったんだぁ、キリエよぉ? ええ?」
アニラさんがちょっと小馬鹿にした感じで言う。
「どうせ役立たずだろ」
「まあ、失礼だわアニラさん。彼はヴァジュラさんのもとまで連れてってくれたわ」
「ほうほう、他には?」
「ほ、他には……ええと……」
ヴァジュラさんの居場所は、雷狼のわんこさんが見つけてくれたし……。
あ、あれ……?
運んだだけ……。
『なぁーんだ、運んだだけか。おいらでもできたじゃん』
「にゅふん……」
ぺたん、とチャトゥラさんがふせの態勢で、負けたことを表現する。
「そんなことないわ。チャトゥラさんの足があったからこそ、ヴァジュラさんが傷付く前に助けられたし」
「キリエ様ぁああああああああああああああああああああ!」
涙を流しながらゴロゴロ転がるチャトゥラさん。
……さて。
「んで、裏切りもんよぉ、なぁにのこのこ帰ってきてるんだ? え?」
アニラさんを含め、聖十二支のみんなは、まだやっぱりヴァジュラさんにあたりが強い。
わたしはヴァジュラさんの前に立つ。
「彼女も仲間よ、仲良くしましょ」
「キリエよぉ……」
がしがし、とアニラさんが頭をかく。
多分わたしの意見に従いたいきもちと、過去の遺恨とがぶつかり合ってるんだわ。
ちゃんと話して納得してもらわないと……。
と思ってると、ヴァジュラさんが前に出て、膝をついて、さらに、頭を下げる。
「みな、すまなかった」
「ヴァジュラ……てめえ……」
アニラさんが強く彼女をにらみつける。
ヴァジュラさんは、最初に来たときのニヤニヤ顔をもうしていない。
もう一度、深く頭を下げる。
「すまなかった。ごめん……」
「…………な、なんだよ、急にしおらしくなりやがってよぉ~。調子狂うじゃあねえかよ……ったく」
ヴァジュラさんが真摯に謝るその姿に、アニラさんを含めて、みんな戸惑ってる様子。
わたしも頭を下げる。
「みんな、お願い。ヴァジュラさんを、仲間にいれてあげて」
「キリエ……」
アニラさんはまだやっぱり言いたいことがあるようだ。
でも……。
「ったく、惚れた女に頭さげられちゃあな……」
「……キリエが許すなら、良いと思う」
うんうん、と他の魔物さんたちはうなずく。
世界樹マーテルさんも、息をついたあとに言う。
「……過去を水に流すつもりは、ない。じゃが、聖十二支として、キリエを守る務めを果たすというのなら、側に居ることを赦してやろう」
「……ありがとう」
そこへ……。
「っと、まとまったところで、みんな準備しようかね」
くま子さんが手を叩いて言う。
「準備って、なにの?」
「そんなの、新しい仲間の歓迎会に決まってるだろ?」
ぱちんっ、とくま子さんがウインクする。
ヴァジュラさんのために!
素敵!
「そうね! やりましょ、歓迎会!」
「ってことだ、野郎ども、準備すっぞー!」
『『『おー!』』』
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