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ベルの力

ベルは空き教室に案内された。教室の中は床、壁、天井にいたるまで1面魔方陣のような模様が描かれていた。


ベルは異様な雰囲気に少し酔いそうになった。


「この部屋の異様さに気が付いたかい? ベル君は勘が鋭いね この教室は外に魔力が漏れたりしないように結界が張られているんだよ」


試験官はニヤリと笑い


「この教室の結界を破る程の魔力を放出出来れば試験は合格だよ」


ベルは困った表情をしながら

「魔力をあまり放出させるなって父さんに言われてるんだよなー」


「それは問題ない 試験の事はのお父さんも納得している 存分に力を見せてくれ」


試験官がそう言うとベルは納得して試験官の周りに小さな魔法結界をかけた。


「これは何のつもりかな?」

試験官は不思議そうに聞くと


「僕の魔力は普通の人には良くないみたいだから」


ベルがそう言うと試験官は納得した。

しかし試験官は内心ベルの力には半信半疑だった。


この結界はベルの話を聞いたロンベルトが作った結界だった。

校長自ら作った結界をまだほんの子供に破られる訳がない。

そう思っていた。


ベルはそっと目を閉じて自身で抑えている魔力を少しだけ放出させた。

すると周りの結界が反応しだした。


ベルの作った結界の中にいる試験官は

これが子供の出せる魔力か?この結界がなかったら……

そう思いゾッとした。


結界が破られる様子が感じられなかったベルは自身の力をもう少しだけ引き出す事にした。

瞬間教室の結界がガラスのように砕け散った。


試験官は何がどうなったのか分からないような顔をしていた。

ロンベルトの結界は破られているのにベルが試験官にかけた結界は無事だったからだ。


ありえないと思っても目の前の現実を受け入れるしかなかった。

しかし今目の前にいる無邪気な子供を見るとどうしても信じられない気持ちに試験官はなっていた。


無事に試験を終えた5人の様子を見ていたファナーカは笑いながら


「ハッハッハハハ! ジジィすげえだろう! ベルの本気はまだあんなもんじゃないんだぜ」


「ぐぬぬ 悔しいがお前の言っていた事は本当だったみたいじゃな しかしこれほどの実力に見合う事をうちの学校で教える事が出来るんじゃろうか……」


ロンベルトは悔しそうにしながら言った。

マルスも驚きを隠せない。


「超身体能力の獣人兄弟に命を与えるセイレーン 動物使いの竜人それにあの規格外の魔力か……」


「授業は人並みでいい 特別な事を教えるんじゃなくてみんなと一緒に 人と触れ合うことで人間という存在を知ってもらいたいんだ あいつらは俺しか知らないから」


ファナーカの言葉の意味をロンベルトもマルスも理解した。

これは人間と魔物の間に出来た溝を埋めるきっかけなのだと。


「まあの 合格者を無下にはせん 何はともあれ入学じゃな」


「息子達をよろしくお願いします」

ファナーカとユキは改めて頭を下げてお願いした。

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