第二回、だらだらセリフ記述法、これをこうじゃ!
小説作法を思いつく限り、ここに書き続ける、
それが定めとあれば、やるしかないのである。
書くことを諦めなければ、書けるさ、
気持ちが何より大事なのーさ。
だらだらセリフ記述法に関して詳しくやる前に地の文で、
全てを終わらせてくるわ。
本文:
大地がひび割れ、火山が噴火し、
隕石が落下し、落雷が雷雲がハリケーンが、
表層にとどまる人々を滅ぼしていく、
この世界全土に広がるパワーが圧倒的であり、
我々はそのパワーの量によって生きれるか否かが決まってる、
文明社会を壊滅させ、圧倒的な力を発揮するこの時代を見よ、
我らはあくまで地表に生えたカビのようなものであり、
未だに人類は自らを発展させれずに、
宇宙からすれば本当にちっぽけな歩みで生きてきたのだ、
我らは我らこそは、この世界の病相に他ならなかった、
だが、そのちっぽけな存在は今や絶滅した。
我々は人類が生存可能な状態を明らかに超えて、
全てのものが滅んでいった、
生物の多様性が終わってしまったのは誰のせいだったか?
それさえ分からないが、我々は滅びの世界に生きている。
とにかく滅んだ、これ、常識、辛すぎる。
分かっただろうか?
地の文だけだと展開させるのが難しいという事が、
閃きや思いつきって人と人の間にあるもので、
それを共有するときに割と発露したりするけど、
物語を作り出す力の根幹を担ってる部分の地の文だけ読ませるには、
相当テクニックがいるわけで、
それが出来てる人は凄い人間である。
凄いでいこう。
というより、地の文で展開を描くってのがまず、
頭の中の運動になるから、そこに着手しないと、
いくらやっても、世界が滅亡してるだけになる。
地の文ってなんなんだろう、
次も地の文だが展開を主張しながら進むことにする。
本文:
ナーマセルキャーベターはかなり強いほうの魔物!
戦って倒せるはずが、え、嘘! 倒しちゃったのこの人!
で、でもナーマセルキャーベーターを倒しちゃったら、
その死骸を目当てにクラボインビスが飛んでくるわ!
もうだめ、絶体絶命!って、また倒しちゃったのこの人!
あ、あ、禁忌を二つも犯すだなんて、この世界の禁忌、
ナーマセルキャーベーターとグラボインビス殺し、
目覚めるわ目覚めてしまうわ! 魔神ゲフトボッシト!
ああ、全てがおわるおわるのよ! 終わる終わる!
って終わったの魔神ゲフトボッシトのほう!?
そんなことってありえるの!?
わたし、もう驚嘆してるわ阿鼻叫喚!
でもね、わかってる、この島のモンスターなんて、
大国のモンスターから環境を守ってるだけだって!
この島のモンスターがいなくなった今、
大陸のほうから闇デストノミカがやってきて虐殺するわ!
人間が死ぬのよ! きゃー!!!!!!!!!!!!!
って闇デストノミカをやっつけちゃったって?!
なんでなんで島民全員で大陸に殴り込む話になっちゃってるの!?
信じらんない!闘争本能って伝染するの!?
でも、でも、もう無理! この海にはアゲテマウノドンがいるわ!
この海を越えていくことなんて出来ないのよ! 私たちはずっと、
島の中に閉じ込められたままなのよー!
って、アゲテマウノドン倒しちゃったよ!
さらに大陸の大魔王エストバンガレフを幹部としもべごと、
葬ったって? ばかばか!そんなの神様が許すはずないじゃない!!
そ、そんな神様を殺したのね! この理不尽な世界を、
ぎりぎり保ってた神様を殺したらもう世界は終わりよ!
絶望が地獄から押し寄せてくるわ、
絶望合体デクアクトロニシャンが来るのよー!!!!
で、なんでデクアクトロニシャン倒してしまうの!?
あんた、あんた馬鹿なの!?
もうこの世界に敵なんかいないんだからー!
だめだめ、私の中の心の大悪魔ゼッキョリガサエルが目覚めて、
え、なんで私の暴走を止めて、キスなんか!?
どうだろうか、これ、主人公の視点で描かれた地の文なのだけど、
凄い話が、ほとんどもうらしてるんだよね、
島での生活、島からの脱出、大陸の敵、天からの敵、そして主人公の闇堕ち、
でも普通に地の文を運営している主人公から物語が乖離しても、
なんとなく世界が回っていって、ヒーローがいるって具合だから、
とりあえず物語にはなってるんだ。
さっきの世界滅亡物語より話がふくらんで行ってる様があるし、
どんどん主人公視点からの世界に対する評価が否定的ではあるものの、
徐々に改善されていって、最後ゴールするカタルシスもある程度ある。
こういう地の文に適当にセリフ書き加えていくのも面白いんだ。
けど、今回は主人公の心を利用した地の文だった、
全部を第三者的に客観的に見る文ってのではないから、
なんとなく第三者的な視点で描かれたものってどう描くのか?
最近ふと分からなくなってきたところなんだ。
なので次の地の文は先ほどの主人公心中の地の文とは違うものにしよう。
本文:
高貴な生まれであるアルセと、
貧乏な家庭で育ったクルセ、
二人には圧倒的な格差が存在した、
二人は出会い、確実にお互いの顔を確認し、
アルセは名乗り自らの血統を誇り、
クルセは怒り、血統で支配されない世界を望んだ。
この格差が社会全体に蔓延しているものだと、
二人が知った時、アテンバル革命がはじまる。
革命派を鎮圧するアルセと、
革命派に参加し現政府打倒を目指すクルセ、
二人にあった格差は今や決定的な暴力となって吐き出された、
この世の安寧を願うものが多い時代の始まり、
アテンバル革命から始まる地獄の始まり、
現政府を打倒して始まった大惨事世界大戦、
まさに大惨事であった、
新政府を樹立したクルセは、隣国に逃げたアルセを探し、
旧政府の残党狩りをしながらも、国力を高めるために、
アテンバル革命の根幹であるアテンバル思想を広める、
その思想は全ての人間の能力を開花させ、
格差を破壊するにたる異能者の集団が、
その能力を弱者に伝達して人類の底上げを図るというもの、
だが、それは地獄の始まり、大惨事世界大戦を混迷化させる、
物にしかなり得なかった、
アルセは旧政府が切り札としてとっておいた、
禁忌の兵器ジュバを使おうと古代の知識を駆使して、
クルセの異能者軍団を迎え撃つ、
アテンバル共和国という名の下、
あらゆる弱者を異能者に変えてしまうそのうねりは、
確実に貴族階級であるアルセを追いつめていったが、
兵器ジュバが大地に放たれた時、
この世は悪鬼が溢れる大地へと変貌を遂げた、
かくして産業革命まで辿りついた文明は破綻し、
アテンバル革命思想による異能者は悪鬼と戦う日々に追われる、
そしてクルセも異能者として覚醒し、
悪鬼に変わってしまった貴族階級と死闘を繰り広げる。
遂に悪鬼の根本であるジュバのコアに辿りついたクルセは、
そのコアにアルセがいることを知る、
これこそが世界を始まり終わらせもする兵器なのだと、
貴族の血統を最後まで誇るアルセを、
クルセは異能の力によって遂に止めを刺した、
しかし世界に起きた変化はアテンバル共和国の運命は、
何も変わらなかった、
ジュバの兵器はコアであるアルセを破壊したことによって、
遂に本領を発揮し暴走を始めた、
すべての悪鬼を異能者を取り込んで結晶化していくその、
流れの中、クルセはなんとか逃げたが、
アルセの首を取ってきたものがクルセに語りかける。
アテンバル思想は古代を破滅させた思想の焼き直しに過ぎない、
ジュバによって薙ぎ払わったことにより失われた思想を、
お前たち弱者が勝手に解釈して湧き立っただけに過ぎないのだ、と。
クルセはもう何もわからなかった、
世界は終わってしまった、
暴走したジュバは悪鬼に変わる亡者の大森林を作り上げ、
そこには格差などもう存在していない、この世界を、
滅ぼしてしまった格差はもう存在していない、
そう普通の人間さえも、守るべき弱者も狩るべき強者もいない、
全てがジュバに吸収され、世界は人間の手から離れてしまった。
やがて絶命したアルセの首を抱えながら、
クルセは自分の為したことの意味が何だったのか、
ジュバの大木の上で世界を俯瞰する事しかできなかった。
はい、これ、一応第三者が俯瞰して見てる感じになってる、
主人公はどうやらクルセのようで、
アルセとの出会いを通して格差を憎むようになるって話の流れみたい、
これにセリフをつけたり、戦争の描写を入れたりして、
とっかえひっかえすると割に情緒的に面白くなるかもしれないけど、
名詞が少ない、
アルセ、クルセ、ジュバ、アテンバルだっけ?
これだけで回ってる世界だから、
なんとなく、キャラクターがいない感じになってるね、
実際に試してみると恐れが、恐れが、恐れが、恐れが、
この宇宙を全部みてとったような語り口が冷淡で、
どこに感情移入したらいいのやら分かんねえ、
これ、やっぱ中の人が演技してみせるしかない感じはする。
でも生首が語りかけてくる辺りはギャグになってるかもしれないね。
で、とそう、セリフラッシュで物語を紡ぐ事をするって、
話だったね、でも今日はパトラッシュ、もう疲れたんだ。
はやくネロ、なんてフランダースの犬見たことないから、
いくらそのネタやられてもわからないない。
では、セリフラッシュ! ラッシュ!
本文:
「わかるかよ、わっかんねーだろうな、わかんねえ、そうさわからねえ」
「いった!いったな!それをいうやつがあるかっての!」
「じゃあ、じょうちゃんにきいてみるのかい?」
「きく勇気ならあるわい!」
「いってらっしゃーい」
「じょうちゃん、この世界の秘密、教えてくれよな」
「実はこの世界たったいまできたのよ」
「なっなんだって!?」
「だからわたしたちしかいないのよ」
「う、うそだ、うそだ、うそだー!!!」
「な、いっただろ? わっかんねえってさ」
まあ今日は大体このくらいにしたる!
これに地の文をつけてみるなり!
本文:
男二人にお嬢さんが二人、ここは教会の裏にある、
シンボルツリーのあるちょっとした安息地ってとこだろうか?
そこで男二人がわりにテンション高く話してるようだ。
「わかるかよ、わっかんねーだろうな、わかんねえ、そうさわからねえ」
「いった!いったな!それをいうやつがあるかっての!」
二人は何やら揉めてるようでもあるが、
何をや知らずという具合でもあり、
何かを知ったような顔をしてる男は割に背が高く細い線の身体、
対比の様に、つっかかってるほうの男は太ってる
「じゃあ、じょうちゃんにきいてみるのかい?」
「きく勇気ならあるわい!」
彼らのことを知っているか知らないか、
井戸で水汲みを終えて、
今はシンボルツリーに祈りをささげてる、
お嬢さん、格好からして、尼僧といったところか?
「いってらっしゃーい」
からかう背が高い男を振り払うように、
ちょっとハンサムに胸を張る太った男は、
お嬢さんにかける第一声の前に咳払い、
当然、祈りの途中だった彼女は振り返り、
そして、
「じょうちゃん、この世界の秘密、教えてくれよな」
あらん限りハンサムに言ってみたつもりではあったが、
そのセリフに少し照れが入っているところ、
男の慣れてないところは一目瞭然だが、
そんなことはお構いなしに、お嬢さんは、
「実はこの世界たったいまできたのよ」
「なっなんだって!?」
その事実は、
受け入れがたいものだった、
そして背の高い男の言ったことも、
お嬢さんと同じようなことだったことが、
想像出来る、からかい半分だと思ったことが、
現実になったような思いが、
太った男に襲い掛かる。
「だからわたしたちしかいないのよ」
「う、うそだ、うそだ、うそだー!!!」
太った男は半ば発狂気味に、
自分の記憶を、記憶をさらってみる?
はっとした顔をして太った男は、
抱えて沈み込んでいたところから、顔を上げて、
背の高い男を見やる。
「な、いっただろ? わっかんねえってさ」
はい、出来ました!
こういう感じで、地の文で、セリフを盛り上げるってやり方が出来るから、
なんとなく楽しいんですよね、
しかしなんか書いてて思うのは、
冗長だなってことですね、
演じたら一瞬の事かもしれないのに、
ここまで描き込むとねっとりしたイメージに変わる、
やはり地の文とセリフの関係というのを考えずにはいられません。
さて、
大体、ですけどこういう実験を繰り返しながら、
この話は進んでいきます。
わたし達に必要なのはちょっとしたサイエンス、
工夫とかではなく科学だったりします。
そう、好奇心が作品を保っています、
知りたいな、考えたいな、
もっと見たいな、色々試したいな、
そんな事が、大体のことを司っているから、
これは面白いっちゃ面白いことではあるのです、はい。
さて、今回は地の文のだらだらを覚えていただいたところで、
地の文とセリフをどの程度にしたら、
適度な分量なのかを次は考えていきたいので、
次回、地の文だらだらをセリフで盛り立てるという、
お話しでも描きたいと思います。
ではではではではー!
小説作法を書いている間に、
二歩も三歩も前を向いて進んでる人はいるんだぜ?
けれどよ、まず歩くのに大事なのは、
一歩を終えることなんだ、
一歩一歩を終わらせていかなきゃ、
進んだって事実は手に入らねえ、
だからよ、これ読んで一歩進んだってまずは思ってくれ、
文章書くの俺も苦手だからよ。
じゃ、アデュー!
byアーマクラ・ケンジ