(40)オレは尋問する-前編-
とりあえずヤルタをピンピンが持っていた縄で後ろ手に縛って放置。
刺し傷からは少量だがまだ血が流れている。
「は、話す! 知ってる事は話すからその前に手当をしてくれ! 頼むッ!」
ヤルタが見苦しい姿態を演じている間、オレたちはすぐ横に集まって相談していた。
議題は3つ。
誰が尋問するのか。
何を尋問するのか。
尋問後にシャイア教徒どもをどうするのか。
最初の議題は満場一致でロビィに決まった。
次もなんとか収集がついた。
基本的にはロビィに任せるが、どうしても聞きたい事がある場合は直接聞いてもよい。
但し、ロビィ以外の質問はひとり3回まで
みんなは1回でいいと主張したのだが、リズが譲らなかったので3回。
最後の議題が問題だった。
処理する派、解放する派、幽閉する派、判事に突き出す派など、ほとんど全員バラバラ。
意見の根拠がそれぞれ異なるのですり合わせも難しかった。
この頃にはヤルタがだいぶ煩くなってきたので、仕方なくロビィが一時中座してヤルタに治癒魔法をかけるという一幕もあった。
その後も議論は平行線で全く進展を見せなかったため、一旦尋問を先にやろうという方向にシフト。
処分についてはその後改めて、となった。
ここで、シンには凍らせたシャイア教徒の見張り番を頼み、残りのみんなでヤルタを囲む。
「ロビーナ、お願い」
「頑張って、ロビィ」
リズとジュリアの熱い声援に応えてロビィが一歩前へ出ると、凛とした口調で尋問を始める。
「さっき私が言った事は覚えていますね」
いきなり何を言っているのかわからないぞ。
さっきっていつだ?
あ、もしかして人質にとっていた時に耳元で話してたアレか?
内緒話やめて。
「ああ」
ヤルタが渋々といった感じで不機嫌に答える。
「それでは尋問を始めます。聞かれた事に正直に答えてください」
ロビィの仁義なき尋問が始まった。
「名前と所属を言ってください」
「ペピン教会司祭のヤルタ・ノルウィンだ」
後ろ手に縛られ、跪いたままでヤルタが尋問を受ける。
正面にロビィが立ち、ジュリアとオレが両脇に、ヤルタを挟んでちょうど対称のポジションに残る3人が立つ。
ちょうどヤルタを中心に六角形を描く位置取りになった。
「シャイア教会とはどういう関係なのですか」
「ペピン教会はシャイア教のペピン支部に加盟している」
「ユミロフ司教とはどういう関係なのですか」
「ペピン支部を含めたキャリオ北地区全体を統括しておられるのがユミロフ司教様だ」
「お前との関係を聞いています」
え、お前?
ロビィの言葉使いがいつもと違うので驚いた。
実際尋問が始まって以来、虫でも見るかのような冷徹な目付きでヤルタを見下ろしている。
「わ、私とユミロフ司教様とは師弟関係だ。個人的にも親しくさせていただいている」
「具体的にはどのようにですか」
「私邸に招いていただいたり、勉強会に参加させていただいたり……」
「勉強会とは何ですか」
「シャイア教の教義に関する理解を深めるための交流会だ」
ここまでは比較的滞りなく極めて常識的な尋問に終始している。
ただ、若干回りくどいというか形式ばっているというか、もっと核心にズバッと斬り込んでもいいのではないかという気がしないでもない。
「シャイア教の教義とはなんですか」
「お前に言っても理解出来まい」
ヤルタが薄笑いを浮かべてロビィを小馬鹿にするような口を利いた。
コイツ、自分の立場本当にわかってるんだろうな。
「また刺されたいのですか?」
「やめろ! 言う! 言うから刺すのはもうやめてくれ」
ははは。
ここはロビィが一枚上手だった。
ヤルタのうろたえぶりが笑える。
「早く言いなさい」
「この世に神など存在しない。唯一神に近い高みまで到達した人間こそが我らを導く資格を持つのだ」
直後、ロビィがフンと嘲笑する。
「お前、今鼻で笑ったな。この罰当りめ! 我らが教義を冒涜するならこれ以上何もしゃべらんぞ!」
ヤルタが激高する。
今のはロビィが悪いよなぁ。
しかしロビィは全く動じる様子もなく、眉ひとつ動かさずに応じる。
「それならまた刺すだけです」
「や、やめろ! 何を言いだすのだこの娘は。おい、お前達! もっとまともな人間に尋問させてくれ!」
だんだんヤルタが気の毒に思えてきた。
確かに今のロビィはちょっとヘンなテンションになっている気がする。
まともじゃないのは確かだ。
ロビィが更に続けて追及する。
「一方で神を否定しておきながら、神に近い人間などという矛盾した概念をどう理解しろと言うのですか」
「なっ! どこが矛盾しているのだ。神は実在しない、神に近い人間は実在する。どこも矛盾などしておらぬ」
「頭が悪すぎます。やはり刺しましょう」
「ロビーナ!」
溜まらずリズが割って入る。
「落ち着いて、ロビィ」
「私は落ち着いています」
ジュリアがロビィの右肩に手を置いて宥めるように声をかけるが、ロビィはチラリとジュリアの方を見ただけでまたヤルタを見据える。
とにかく、刺すのだけはやめさせないと。
「だろうね。でもナイフで刺すのは禁止で」
「どうしてですか?」
「治癒魔法をかけるのがもったいないから」
「……なるほど。一理ありますね」
おお、納得した……のか?
しかしギャラリーの反応は様々だった。
「ええっ!?」
「さすが師匠」
「マリュウ。今の話、理解できる?」
「共感はし兼ねますが、一応」
「そう……。私は少し休むわ」
「それがよろしいかと存じます」
こちら側の話が一段落したと判断したロビィが尋問を再開する。
「それで?」
「何がだ?」
「教義の説明の続きです」
「まだ聞く気があるのか。途中で横槍を入れないと約束するなら続きを話してやる」
「自分の立場がまだわかっていないようですね」
「なんだ? また刺すと言うのか。さっき禁止されたではないか」
「…………」
ヤルタの反撃に会い、ロビィが言葉に詰まる。
「フハハハハ……ぐわぁッ! き、貴様ッ、どうして……」
あーあ、刺しちゃった。
「ちょっとロビィ! ダメじゃん!」
「今、治癒しています。問題ありません」
確かに治癒魔法かけているけれども!
当のヤルタも憤懣やるかたない表情で体を揺らしながら怒りを表現している。
「何が問題ないだ、ふざける……はいぃぃぃぃッ!」
また刺した。
おいおいおい……。
ヤルタが跪いた状態で一瞬浮いたぞ。
これ、ロビィ壊れてないか?
「リズ、悪いけどコイツの治療をお願いしてもいいかな」
「ええ、仕方ないわ」
リズにヤルタの治療を頼んで、ロビィをヤルタから引き離す。
「ロビィはちょっとここで待機ね。続きはオレがやるから。ジュリア、ロビィをよろしく」
「うん、わかった」
「アスカ、尋問役は私です」
粘るねぇロビィ。
「解雇」
「えっ?」
「だから解雇。クビ!」
「クビ……私が……」
呆然とした表情になるロビィ。
やっぱり不安定だったんだな。
「ほら、アスカに任せて少し落ち着こう、ロビィ」
「私は落ち着いています」
「血のついたナイフを持ってそんな事言われても全然説得力ないから」
「ジュリアの言う通りよロビーナさん。少し休みましょう」
ピンピンもロビィの傍らにやって来て、ジュリアと反対側の肩に手を当てて宥める。
「……わかりました」
ロビィ、陥落。
流れで尋問の続きはオレが進める事になった。
「それじゃ、教義の続きをどうぞ」
「お前は刺したりしないだろうな」
まだ怯えているヤルタ。
警戒する気持ちはわかるが、正直面倒臭い。
「無駄口はいいから早く」
急にスイッチ入って話し始めるヤルタ。
「神の高みに到達した人間、それは竜の子たる人間」
「え、竜の子は竜だろ。何言ってんの?」
「ええい、横槍を入れるなと言っておろうが!」
「だって明らかにおかしいだろ、今のは」
「いいから黙って話を最後まで聞け!」
なんだか尋問というより講義を受けている気分になってきたが、まぁいい。
「……じゃ、どうぞ」
「神は存在しないが、竜はこの世に存在する。竜こそ現世において神の如き存在に他ならぬ。人間に恵みと厄災を平等にもたらす者、それこそが神に等しい存在なのだ」
「なるほど。理屈はわかった」
「むぅ、わかればよろしい。その神の如き竜が人の世に使いを送る事がある」
「神の使い?」
「そうだ。正しくは竜の使いだ」
「あ、ごめん」
「その使いは姿こそ人間だが竜の力を宿している。竜と同じように恵みと厄災をもたらす存在なのだ」
「へぇ、そうなんだ」
「なかなか素直だな。見直したぞ」
「それはどうも」
ますます『シャイア教概論』の講義っぽくなってきた。
「教義ではそれを竜人様と呼んでいる」
「竜人……」
ピンピンが呟いたのが聞こえた。
まさか……ね。
さすがにプンクルとシャイア教は無関係だろ。
「竜人様のご降臨を願い、己を厳しく律しつつ来るべき日のために教義を広く普及する事。それがシャイア教の役割なのだ」
「あれ? 教義は? 教義の話だろ」
「……竜人様の導きに従って現世を救い新たな世界を創造する。それこそがシャイア教の教義の根本だ」
うーん、なんか二番煎じっぽいというか、新鮮味に欠けるなぁ。
「新たな世界ってどんな世界なの?」
「それは竜人様がお決めになられる」
「結局は人任せじゃないか」
「フン、貴様のような者には我らが教義の素晴らしさなどわかるはずもない」
「でもオレみたいなのにもわかるように布教するのが仕事なんだろ」
「ぐむぅっ……そ、それは……」
よし、一本取った!
って、違うだろ。
尋問はどこへ行った?
「ま、いいや。で、その竜人ってのはいつ現れるの?」
「竜人様と呼べ。いつかはわからぬ」
「もうどこかに現れてたりして」
「そっ、それはッ!」
急にヤルタの態度がそわそわ落ち付かなくなった。
「あれ? なんか過剰反応してるけど、どうしたの?」
「なんでもない。貴様がおかしな事ばかり言うから悪いのだ」
「オレがその竜人だったりして」
「何を馬鹿な事を。貴様のような者が竜人様であるわけがない。罰当りな冗談はやめろ」
マジで怒るなよ。
ほんの冗談だろ。
とりあえずここは我慢して尋問の続きだ。
「シャイア教の信者は普段何をしてるんだ?」
「別に。普通に生活をしているのではないか」
「え、戒律とか儀式とか礼拝とかないの?」
「シャイア教に厳格な戒律は存在しない。時間のある時に教会で祈りを捧げ、折に触れ聖地へ頭を垂れるだけで良いのだ」
「へぇ、それは意外だな」
「怪しげな神を信奉する他の宗教とは違うのだ。我らがシャイア教は全人類に対して常にその扉を開いている!」
鼻の穴を広げて力説するな。
なんかムカつく。
「アスカ、もうシャイア教の話はそれくらいにしては」
「そうです。他の質問を」
ジュリアとリズから物言いが入った。
確かにシャイア教の話に時間を割き過ぎたかもしれない。
「そっか、わかった」
そろそろ本題へ移ろう。
「こっからが本題だ。お前たちはここで何をしていた?」
「教徒たちの野外活動だ」
野外活動だと!?
その言い草にちょっとカッとなる。
「おい! 下手な嘘をつくな」
「嘘など吐いておらん! 表現の自由だ」
「それならどんな野外活動か言って見ろ」
「……この山に生息する生き物との……交流や、生命に関する……研究だ」
言葉を選びながら答弁するヤルタ。
なるほど、嘘は吐いていないという理屈だな。
「つまり魔物の訓練と死霊の実験だな」
「…………」
「おい!」
「そ、そういう言い方をしても別に構わん」
渋々認めるヤルタ。
最初からそう言えよ、面倒臭い。
「魔物は笛で操れるように訓練してたのか?」
「それについては私は詳しくは知らん。ラザロフとバルナーロが担当していたのでな」
「いやいや、そういう責任逃れはやめろよな。マジで気分悪いから。責任を部下に押し付けて自分は功績だけ掻っ攫って行くとか最悪の上司じゃん。しかもよくいるんだよなこの手のクズ野郎が。そもそもなんであんなのが昇進できるのか、本気で意味わからん」
「ちょっとアスカ、何を言ってるの?」
うわ、しまった! 心の声がダダ漏れになっていた!
ジュリアに突っ込まれるまで全然気付かなかった。
オレも大概ヤバイな。
「師匠?」
ピンピンも心配そうに顔を近づけてくる。
「あ、ごめん。ちょっと昔の悪夢……」
「なんだ、夢の話なのね。びっくりした」
とりあえずジュリアは誤魔化せた。
ピンピンはまだ疑いの表情だが……。
「そうなんだ、よくヘンな夢を見るんだよ。うん」
「アスカ、続きを」
「わかった」
とうとうリズに急かされてしまった。
このままでは次オレが退場させられて、リズに取って代わられそうだ。
気を取り直して尋問を続ける。
「お前がやらせてたんだろ」
「そういう指示を出した事があるかもしれない」
くそ、いちいち言葉尻を捉えて突っ込んでいたらキリがない。
「で、どの程度まで成果が出てたんだ」
「魔物毎に笛の種類を変えて調教し、集合・解散・攻撃・攻撃中止の4つの命令には従うように出来た」
「なるほど。それで亜人にも手を出したんだな」
「そ、そうだ。亜人についてはラザロフの提案で、私が言い出した訳ではないぞ」
亜人がやらかした事を知ってて責任回避か……ホント屑だな。
「あれだけの亜人をどうやって集めた?」
「ドルクは、元々この山脈一帯には多かったんだ。それを笛で手懐けたドルクどもを使って縄張りの境界を越えさせたのだ」
「で、追い掛けてきたドルクをまた手懐けたのか」
「そうだ」
「笛だけで出来たのか?」
「いや、ラドルガの存在が大きかった」
「あいつか……。ヤツは元々ここにいたんだろ?」
「そうだ。我々が山へ入って来た時にはまだ眠っていたんだ」
「ラドルガが眠って……? 冬眠みたいなものか?」
「亜人は病や怪我をした時は一時的に生命活動を最低限に抑えて眠りにつき、時間をかけて回復するという話を聞いた事があります。」
ここでマリュウの解説。
サンキュー!
「そうだ。ラドルガは相当手酷くやられていたらしい。何しろここ3年近くは姿を見せなかったからな」
「3年!?」
「それってピンピンの兄弟子さんが負傷した件と関係あるの?」
ピンピンが思わずといった様子で声に出すと、ジュリアも堪らず質問が出る。
「ああ、あのシェンヤオとかいう師範代の事か」
「シェンヤオ兄さんを知っているの?」
オレもまさかヤルタがシェンヤオの事を知っているとは思わなかった。
「3年前にこの山で亜人を退治しようとして返り討ちにあったプンクルの師範代だろう。知っているぞ」
「その時からこの山にお前たちもいたのか?」
「いや、我々がこの山で実験を始めたのは今年に入ってからだ。もちろん、その1年前から入念な調査と検討を重ねて充分に計画を練った上で、満を持して実行に移したのだ」
「いや、お前らの自慢とかどうでもいいから」
「自慢ではない。事実を言っているだけだ」
あー、なんかやっぱり腹立ってきた。
ロビィからナイフ借りて刺そうかな。
だが、シェンヤオの件とシャイア教はさすがに無関係だとわかって安心した。
ピンピンも少しホッとした様子だ。
「で、調教は何のためにやっているんだ」
「なに?」
「まさか調教するのが目的じゃないだろ。何のために魔物を調教する必要があったんだ?」
「それは…………」
「言えないような理由なのか」
「違う! ただ……我々には知らされていない」
「はい?」
「私は魔物の調教に関する指示を受けただけで、その理由までは知らないのだ」
……蓋を開けてみれば小者というオチか。
いや、まぁ何となく予想はしてたが。
本丸はやはりユミロフという事なのだな。
「指示したのはユミロフだな」
「…………」
「どうした? 義理立てしても助けてはもらえないぞ」
「本部の指揮系統は重要機密だ。漏洩する訳にはいかん」
驚いた。
この期に及んでまだ頑張る気があったとは。
でもこの場合、沈黙こそが千金の答え也ってね。
「死霊の実験の方は何のためだ」
「それも知らん」
「嘘を吐くなと言ったはずだが」
「嘘ではない。我々の計画は全体の一部に過ぎないのだ。目的とやらは全体の計画を立てたヤツに聞けばいいだろう」
「それは誰だ?」
「……知らん」
「一応これは尋問なんだが、知らぬ存ぜぬで通ると思っているのか」
「…………」
急に黙秘権行使か。
ここが重要なポイントなのかもしれないなぁ。
ただ、さっきからヤルタのヤツが何度かロビィの方をちらちらと伺っているのが気になる。
さっき刺されたのを気にして、という訳でもないだろう。
今の話とロビィに何か関係があるのだろうか?
それとも質問の内容とは関係なく、今ロビィを気にしなければならない理由がある?
「ちょっと休憩にしよう」
そう言ってみんなをヤルタから少し離れたところに集める。
「どう思う、リズ」
「何とも言えないわね」
「明確に嘘を吐いているとは言い難いと私も思います」
「マリュウさんって嘘も見抜けるの?」
「いいえ、あくまで呼吸や心音などから推定する限り、ですが」
なるほど、そういう事も可能なのか。
万能だな、マリュウ。
「師匠、私はシンの様子を見てきます」
「ああ、頼む」
「私も一緒に行くわ、ピンピン」
ジュリアとピンピンが連れだってシンの方へ行った。
「ロビィは大丈夫?」
「私は最初から何の問題もありません」
「ははは」
まぁそう言うだろうけど。
「リズ、マリュウさん。ちょっとロビィを見ててもらえるかな」
「いいけど、どうして」
「ちょっとヤルタに圧をかけておこうと思って」
ちょっと違うが、ある意味本当の事だ。
「わかったわ。ほどほどにね」
「ありがとう、リズ」
ヤルタの腕を引っ張って少し離れた場所まで移動する。
どのみちこの程度の距離ではマリュウに聞かれてしまうなぁ……ま、いっか。
ヤルタの耳元に口を寄せて、小声で尋ねる。
「オレが来る前にロビィと何か話してたよな。何を話してた?」
「そ、それは……召喚した死霊を消すようにと」
「嘘を吐くな。それはオレが言ったんだ」
「いや、お前が来る前にあの女にも言われたんだ。本当だ」
急にオドオドしやがって。
しかも嘘ばかり。
許せん。
無造作にヤルタの右腕の肘の下辺りを掴むと――。
超静電気MAX。
「うぎゃああああああああああ!!!」
ヤルタが大袈裟に全身を痙攣させて絶叫する。
「どうしたの!?」
「なに!?」
「うわぁっ!」
「師匠!」
驚いたみんなが集まってきてしまった。
落ち着け、静まれ。
こいつが大袈裟なだけで、全然問題ない――よな? え? あれ?
ヤルタから焦げ臭い匂いが立ち上ってぐったりと地べたにへたり込んでいる。
うっそ。マジ? もしかしてちょっと加減をミスった?
ちょっと過激な静電気、程度の魔法のはずだったんだが――。
読んでいただきどうもありがとうございます。
恒例の分割です(笑)。
ダイジェストにして事後要約がよかったのかどうか……。
引き続き応援よろしくお願いします




